「海事代理士試験はどのくらいの難易度なのだろう?」
このような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
船舶関連の手続きや書類作成代行などを行う海事法令に関する専門家である海事代理士。この資格の難易度がどのくらいのものか知りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、海事代理士試験の難易度について詳しく解説していきます。
海事代理士試験は、国土交通省によって昭和26年から実施されている国家試験です。「海の法律家」である海事代理士になるために行われ、船舶や海上法などの分野について問われる内容となっています。複数の級があるわけではありませんが、筆記形式の一次試験と口述形式の二次試験の2つに分かれています。受験資格は特になく、年齢・性別・学歴関係なく試験を受けられますが、未成年者などは合格しても海事代理士となることはできません。
試験の形式の違いについて
試験の形式の違いについての概要は以下の表の通りです。
一次試験 | 二次試験 | |
試験方式 | 筆記形式 | 口述形式 |
満点 | 220点(全18科目) | 40点(全4科目) |
合格基準 | 正答率60%以上※ | 正答率60%以上 |
試験日程 | 9月下旬頃 | 12月上旬頃 |
試験会場 | 全国11都市 | 東京 |
受験料 | 6,800円 |
※全科目受験者の平均正答率が60パーセントを上回る場合には平均正答率以上の得点をあげた者が合格となる
各級別の合格率
試験の近年の合格率を級別に以下の表にまとめたので、ご覧ください。
筆記試験 | 口述試験 | |
2021年 | 55.3% | 98.6% |
2020年 | 54.2% | 62.3% |
2019年 | 54.2% | 60.6% |
こちらの表を参考に、近年の合格率を計算すると、筆記試験は約5割強、口述試験は約7割だということがわかります。このことから、筆記試験よりも口述試験の方が合格率がやや高いということがわかりました。また、口述試験の合格率は年によって大きく変動することも見て取れます。ただし、どちらの形式の試験も合格率が半分を超えているため、合格率自体は比較的高い試験だということです。
形式別の難易度
上記で示した合格率から、難易度はそこまで高くないと予想できるのではないでしょうか。しかし実際は、司法書士や行政書士をすでに取得している人が受験する試験なので、そもそも受験者のレベルが高く、難易度は高めの試験となっています。ですので、他の資格を未受験で初めて受験する人は、おそらく50%の合格率以上に難易度が高いと感じるでしょう。逆に、司法書士や行政書士を取得済みの人でしたら、合格率は50%を超え、試験自体の難易度も低く感じられるでしょう。
このように、海事代理士は前提知識がなく、初めて受験する人にとっては難易度の高い試験となっています。ですので、しっかりと学習計画を立てながら試験対策をしていくことが重要になります。
海事代理士の難易度のまとめ
ここでは、海事代理士の難易度についてご紹介していきました。
合格率は高い方ですが、比較的難しい試験だということがわかりましたでしょうか。この機会に、興味を持った人は、是非取得に向けて学習してみてはいかがでしょうか。