IPAの「情報処理安全確保支援士試験」という資格試験をご存じですか。
こちらの情報処理安全支援士試験に合格後申請を行うことで、国家資格である「情報処理安全支援士(登録セキスペ)」の資格保持者になることができます。
サイバーセキュリティの専門家である登録セキスペになると、年収600万~1300万円のようなかなり高額の求人がみられるようになります。
現在、さまざまな企業がセキュリティの重要性を再認識し始めているため、登録セキスペのようなセキュリティ人材の需要は年々高まっていくことが予想されます。
本記事では、そんな情報処理安全確保支援士試験に合格するためにおすすめ参考書について解説していきます。
情報処理安全支援士試験の対策ポイント
情報処理安全確保支援士試験(SC)では、サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技術が問われます。セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指したいという方におすすめの資格です。
情報処理安全確保支援士試験の試験概要は、以下の表の通りです。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 50分 | 40分 | 90分 | 120分 |
出題形式 | 多肢選択式 | 多肢選択式 | 記述式 | 記述式 |
出題数/解答数 | 30問/30問 | 25問/25問 | 3問/2問 | 2問/1問 |
このように、その他の情報処理試験の高度試験と同様に午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つに試験が分けられています。全ての試験で、100点満点中60点以上を取得することで合格となります。
合格率は20%ほど、難しい資格試験であることが分かります。試験は1年に2回開催されており、受験資格や年齢制限は特にありません。
合格に必要な勉強時間は、IT初学者の場合は500時間以上と言われています。他の資格と比べると、かなり根気強く勉強し続ける必要があることが分かります。しかし、基本情報・応用情報技術者試験やその他の高度資格を保有している方は、その分勉強時間を削減することができます。
それでは、試験種別に対策のポイントを簡潔に解説していきます。
午前対策では、過去問演習を繰り返すことが重要です。過去問からの出題が多いため、一度解いた問題は確実に解けるようにしておきましょう。またセキュリティとネットワーク分野は出題比率が高いため、重点的に学習するようにしましょう。
午後対策のポイントは、読解力と記述力を向上させること、そして基本知識を身に付けることです。基本知識に抜けがあると、長文問題の読解中に分からないところが出てきてしまいます。午前対策で過去問演習を繰り返す中で、しっかりと基本を身に付けて、苦手分野は復習を繰り返しましょう。
情報処理安全支援士試験のおすすめ参考書
それでは、情報処理安全支援士試験を独学で勉強する上でおすすめのテキスト・問題集をご紹介していきます。
1.情報処理教科書 情報処理安全確保支援士
こちらの書籍は、試験傾向の分析に基づいて、合格に必要な知識が網羅されている定番の参考書です。幅広い試験範囲をカバーしながらも豊富で丁寧な解説がされているため、参考書ではありますが教科書のような一面もあります。また、平成25年度秋期以降の過去問の解答解説がWebで提供されているため、演習もできる充実した1冊となっています。
2.ALL IN ONE パーフェクトマスター 情報処理安全確保支援士
こちらの書籍は、午前Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの対策ができるオールインワンのテキスト&問題集です。特に午後対策に重点が置かれており、問題文に書かれていない背景の部分まで読み取れるような汎用性の高い攻略テクニックを身に付けることができます。各試験に特化した学習方法が分かるため、効率よく試験対策を行うことのできる1冊です。
3.【春期】【秋期】情報処理安全確保支援士合格教本
こちらの書籍は、国際情報科学部の教授が執筆しているため午後問題にも強いセキスペ試験対策本です。午前に必要な基礎知識から、午後に必要な応用力のどちらも身に付けることができます。また、Webアプリでは午前試験の25回分の演習が行えるなどアウトプット面もカバーされています。
4.徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書
こちらの書籍は、情報処理技術者試験の全区分の資格を保有し、現場経験も豊富な著者が書き下ろした登録セキスペ対策書の決定版です。基礎からの丁寧な解説と、覚えやすい構成になっているためしっかりと実力が身に付きます。またスモールステップ方式が採用されているため、知識を確実に定着させることができます。
5.ポケットスタディ 情報処理安全確保支援士 (情報処理技術者試験)
こちらの書籍は、出題のポイントや得点の取り方がよくわかる試験対策テキスト&問題集です。サイズ感も小さいため、通学や通勤などのスキマ時間にも学習しやすい1冊となっています。初学者の方よりも、ある程度知識が身についている方が知識の補完用に使うのにおすすめです。
6.情報処理安全確保支援士「専門知識+午後問題」の重点対策
こちらの書籍は、午前Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱ試験の対策ができる参考書です。午前問題を解くのに必要な基本知識を効率よくチェックすることができます。また午後問題に関してはテーマ別に絞り込んで解説されています。学習方法から手順まで詳しく解説されているため、どのように対策を進めていけばいいかがよく分かる1冊です。
7.徹底解説情報処理安全確保支援士本試験問題 (本試験問題シリーズ)
こちらの書籍は、情報処理安全確保支援士の直近3期分の本試験問題と解答解説が収録されている問題集です。しっかりと過去問演習ができ、試験対策の総仕上げとして使える1冊となっています。本番形式で自分の知識レベルをチェックしたいという方におすすめです。
8.暗号技術入門
こちらの書籍は、公開鍵暗号やデジタル署名、SSL/TLSなどの暗号技術が基本から丁寧に解説されています。セキュリティ周りの技術の仕組みを理解することができるため、暗号技術に興味がある、暗号技術をよく理解できていないという方におすすめの技術書です。
9.情報セキュリティ白書
こちらの書籍は、情報セキュリティの全体像を学べる教科書のような1冊です。情報セキュリティを学びたいという学生や社会人、セキュリティ系資格を取得したいと考えている方、パソコンを利用する教育関係者等、幅広い方におすすめのセキュリティ本となっています。セキュリティの知識を深く掘り下げることができます。
10.TCP/IP 最強の指南書(日経ネットワークのムック本)
こちらの書籍は、TCP/IPとその関連技術について基礎からしっかりと学ぶことのできる指南書です。ネットワークについてあまり理解できていないという方におすすめの1冊です。本書を用いてTCP/IPをはじめとしたネットワークを正確に理解することで、資格勉強においても実務においても使えるスキルが格段にアップします。
「①②③④⑤」では、情報処理安全確保支援士の全体の対策をすることができます。こちらの5冊のうちの1冊は必携です。「⑥」を使って重点的に午後問題の対策を行い、問題演習には「⑦」を用いて試験の総仕上げを行いましょう。
そして、情報処理安全確保支援士用のテキストではありませんが、知識を掘り下げて基礎を底上げして応用力を身に付けるための技術書としておすすめなのが「⑧⑨⑩」です。
午前対策本はここでは紹介していませんが、高度試験共通の午前対策本を1冊購入するのがおすすめです。
情報処理安全支援士試験のおすすめテキストのまとめ
以上が、情報処理安全支援士試験を独学する上でおすすめの参考書についてでした。
情報処理安全支援士試験は、かなりの勉強量が必要となります。自分の現状のレベルを把握して、合格を目指して上手くスケジューリングをしていきましょう。
こちらの記事でご紹介した参考書をぜひチェックしてみてください。