「知的財産管理技能士と弁理士って似ているけど、どんな違いがあるのだろうか?どちらを目指すべきなのだろうか?」
こうした疑問を持っている人もいると思います。
主に企業内において知的財産の管理・活用を適切におこなう専門家である知的財産管理技能士と知的財産に関する専門家である弁理士。一見、同じように見えるこの2つの資格ですが、比較してみるとその違いが多くあることがわかります。
今回は、そんな知的財産管理技能士と弁理士の違いについて詳しく紹介していきます。
知的財産管理技能士と弁理士の違いとは?
上記でも述べたように、2つの資格には違いがいくつかあります。それらをここで紹介していきます。
①試験において求められるもの
知的財産管理技能士は、知的財産を管理・活用する技能の習得レベルを測定・評価する試験である知的財産管理技能検定に合格することでなれます。一方弁理士は、特許や意匠、著作権などに関する法律知識が問われる弁理士試験に合格することでなることができます。2つの試験をもう少し具体的に説明すると、知的財産管理技能検定では、知的財産に関する法律に加えて、知財戦略や契約などの実務的知識が問われます。一方弁理士試験では、特許や意匠、著作権などに関する法律知識が問われます。つまり、知的財産管理技能検定は「知財の実務能力」を測る試験に対し、弁理士試験は「知財に関する法律」について問う試験だということになります。このように、知的財産管理技能士と弁理士では試験において求められるものが異なるのです。
②独占業務の有無
独占業務というのは、「その業務はある資格を持った人のみにしか行えない」という意味です。そして、「その資格を持っている人でなければ携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格」を業務独占資格と言います。知的財産管理技能士は、業務独占資格ではなく、独占業務が存在しません。つまり、知的財産管理技能士を有しているからといって何か特別な業務ができるわけではないのです。一方、弁理士は業務独占資格に該当し、 知財の手続きの代理は弁理士の独占業務であることが法律で定められています。つまり、弁理士には弁理士にしかできない独占業務が存在するのです。また、弁理士の場合、独立開業できる可能性があるのも、知的財産管理技能士との大きな違いです。
どちらを目指すべき?
どちらを目指すべきか、どちらの資格を取得した方が良いかは一概に言えません。資格を取得することで何をしたいのか、どのようなことを達成したいのか、その目的によってどちらの資格を目指すべきかは変わってきます。
上記でも紹介した通り、知的財産管理技能士は弁理士のように独占業務が存在しません。しかし、弁理士と比べると難易度は低く、気軽に挑戦できるものです。ですから、自身のスキルアップを目指し知財の資格を取得してみたいと思っている人や、知財の実務に直結する能力を身に着け、活躍できる機会を増やしたいと思っている人は、知的財産管理技能士を目指すのがおすすめです。
一方で、資格を取得した後、独立したいという思いがある人や、資格を生かしてキャリアアップを目指したいと考えている人は、弁理士がおすすめです。弁理士は、国家資格の中でも非常に難易度が高く、資格取得することで得られるメリットは大きいです。将来的に大きく成長したいという強い思いがある人には、弁理士が最適でしょう。しかし、知的財産管理技能検定と比べ弁理士試験の難易度は高く、合格するまでに必要な期間もかなり長いものになります。ですから、相当の覚悟を持って資格取得を目指すことが重要になってきます。
知的財産管理技能士と弁理士 違いのまとめ
今回は、知的財産管理技能士と弁理士の違いについて紹介しました。
知財に関する2つの資格ですが、その違いについて理解できましたでしょうか。どちらも国家資格であり、そう簡単に合格できるものではないですが、知財に関する知識やスキルを身に着けたい人は、是非この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。