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不動産関係における資格は、たくさんあります。
その中から自分の目的に合ったものを見つけるのは一苦労ですよね…。
今回は「土地区画整理士」に注目して行きます。
仕事の特徴や気になるお給料についてまとめました。ビビッとくるかどうか、この記事を参考にしてみてください。
1. 土地区画整理士について
駅前や災害後の土地を有効に使うためには、一定レベルの知識を持って活用方法を考える必要があります。そのために存在するのが、土地区画整理士です。
具体的にどのような資格なのか見ていきましょう。
∟受験資格がある名称独占国家資格
限られた土地を有効に使い、かつ住みやすい環境に整えるための知識をもつことを証明する国家資格です。
独占業務がないため仕事をする上でのメリットがないように見られがちですが、地方公共団体の土地整備プロジェクトの中心的立場を得ることもできる、非常に魅力的な資格なのです。
∟仕事内容は土地整備に関わることを幅広く
では、その具体的な仕事の範囲を見ていきましょう。
上で説明した通り、独占業務がないために特定の仕事は存在しません。
土地区画整理に関して技術的・建築関係・法律面についてと幅広い知識を持ち合わせていることになりますので、プロジェクトの統括やコンサルティング的な仕事が中心になります。
∟実は合格率が高めで穴場とされている
合格率は50%越えと、不動産・建築関係の国家資格としてはかなりの取りやすさになっています。
ただし受験資格が高めに設定されているので、その壁をクリアできているかどうかがこの資格取得の最初の課題と言えるでしょう。
具体的な受験資格については後述いたします。
2. 給料について
では、土地区画整理士の資格をとった場合年収や給料はどのようになるのでしょうか?
∟年収600万程度がメイン
土地区画整理士は、穴場と言われていることもあり出回っている情報が非常に少ないです。
また、土地区画整理士が活躍できる仕事を請け負える会社や団体はかなり限られます。そのため、多くは大手ゼネコンや公務員などになるため、年収もそのあたりの平均となる600万円が目安になります。
∟資格手当の有無
独占業務がないこともあり、資格手当について明示されていることはないようです。
3. 取得までの流れ
土地区画整理士の資格を取るためにクリアすべき試験や、その概要についてまとめていきます。
∟試験概要
土地区画整理士の試験は、学科試験と実地試験に分けて行われます。
試験は同じ日に行われるため、学科と実地の両方に対処しておく必要があります。
前年度に学科試験のみ合格だった場合は、実地試験のみを受験することができます。
▼学科試験
受験資格
・大学卒業後、1年以上の実務経験者(指定学科※以外は3年以上の実務経験者)
・短大、高専(5年制)卒業後、2年以上の実務経験者(指定学科※以外は4年以上の実務経験者)
・不動産鑑定士、不動産鑑定士補で、2年以上の実務経験者
・不動産鑑定士、不動産鑑定士補で、大学の指定学科※卒業後1年以上の実務経験者
・高校の指定学科※卒業後、3年以上の実務経験者(指定学科※以外は5年以上の実務経験者)
・8年以上の実務経験者
※指定学科とは、土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地または造園に関する学科を含む)、都市工学、衛生工学、交通工学、建築学、法律学、経済学、商学、経営学または地理学に関する学科です
出題範囲
・土地区画整理事業の基本に関わる一般的事項に関する基礎知識
・管理計画の作成に関する基礎的知識
・土地区画整理事業の施行に必要な土地評価に関する基礎的知識
・土地区画整理事業の施工に必要な法令に関する基礎知識
・出題形式・合格ライン
四肢択一式で40問が出題されます。試験時間は2時間30分です。
合格のためには総合得点が60%以上であることに加え、各分野で一定数以上の正解数をキープしていることが条件とされています。
▼実地試験
受験資格
・当年度学科試験受験者ならびに前年度の学科試験合格者
・技術士法による技術士試験の第二次試験のうち、技術部門を建設部門(選択科目を「都市及び地方計画」とするものに限る)の合格者で、土地区画整理事業に関し1年以上の実務経験を有する者
出題範囲
・必須:換地設計・実務経験
・選択問題:事業計画・移転補償・法規から1つ選択
出題形式・合格ライン
・試験時間3時間で、記述式での回答になります。
・合格のためには総合得点が60%以上であることに加え、各分野ごとに基準点をクリアすることが条件とされています。
∟試験日程
年に1回、一般社団法人全国建設研修センターが実施団体となって試験が行われます。
2023年度は9月3日(日)に行われ、12月8日に合格発表がされます。
募集期間は5月で、通常3週間程度が設けられています。
∟費用
受験には18,000円の費用が必要です。
実地試験のみの場合は9,000円のみとなります。
4. 難易度について
合格率は約50%越えと不動産関係の資格の中では高めな数値が続いています。
主な理由は、受験資格により一定以上の知識を持つ人のみが挑戦しているためと思われます。
∟学習方法
学習目安時間は「50時間〜60時間」です。
というのも、ほとんどが実務内容に沿っており、また過去問から大きく逸脱するような出題もされないと言われているからです。
自分の中にある経験値と、参考資料の照らし合わせを丁寧に行うことで十分に対策可能です。
唯一、実地試験の記述式には注意が必要です。
いくら知識があっても、それを簡潔に伝わりやすくまとめるのには、一定の練習が必要になるでしょう。
∟取りやすさ
取りやすさは◯。
受験資格が限られているため、試験自体の難易度としてもあまり高くありません。
一般的な資格といえるほどポピュラーでもないので、仕事上必要になって取得する人がほとんどと思われます。
∟活かしやすさ
活かしやすさも◯です。
仕事上必要になって取得する場合がほとんどのため、とった資格が無駄になるということもないでしょう。
一大事業の中心的ポジションを担うなど、仕事面の責任が増すことになるでしょうがやりがいも感じられるはずです。
土地区画整理士ってどんな仕事?給料は?難易度や試験日程についてのまとめ
以上、土地区画整理士の資格についてまとめました。
一般的には知られることが少なく、不動産業・建設業などの限られた業界の人しか手にすることのない資格ではありますが、大変魅力的な資格ですね。
興味を持った方は、ぜひ調べてみてください。