不動産関係における資格は、たくさんあります。

その中から自分の目的に合ったものを見つけるのは一苦労ですよね…。

 

今回は「競売不動産取引主任者」に注目して行きます。

仕事の特徴や気になるお給料についてまとめました。ビビッとくるかどうか、この記事を参考にしてみてください。

 

 

青山一広 (著)
出版社: 住宅新報社; 改訂版、出典:出版社HP

 



1. 競売不動産取引主任者について

 

「競売にかけられる不動産」というものは、不動産業界にいなければなかなか巡り合う機会がありません。

しかし、張本人になってしまう確率もゼロではないのです。

そんな一生に一度あるかないかの時に頼りになるのが、競売不動産取引主任者という資格を持つ人です。

 

具体的にどのような資格なのか見ていきましょう。

 

∟競売不動産におけるプロだが民間資格

取引をされる不動産は、単に新築・中古というだけではありません。

競売という形で取引をされる不動産が存在しています。

しかし、この競売不動産は一般に出回ることは少ないのでこれまで重要視されていませんでした。

 

しかし、競売不動産の取得にも住宅ローンが適用されるようになり、これまで参加のハードルが高かった一般消費者や未経験の投資家なども不動産の競売に参加できる可能性が上がりました。

 

そのような経緯から2011年に不動産競売において一定の知識や能力を持った人を認定する競売不動産取扱主任者という資格が誕生したのです。

なお、現時点では国家資格ではなく、民間資格となっています。

 

 

∟仕事内容は「競売不動産の取得」におけるアドバイス・サポート

では、その具体的な仕事の範囲を見ていきましょう。

 

競売にかけられるのは、主に住宅ローンの支払いができなくなった物件です。そのため競売不動産は、一般に流通しているものよりも安値で不動産を取得できる可能性があります。

 

競売不動産取扱主任者は、競売不動産の取得を考えている依頼者に対して知識や経験を活かしたサポートを行い、その取得を手助けするのが仕事です。

 

 

∟資格登録には宅建士資格が必須

競売不動産取扱主任者の資格試験を受ける段階では、特に職歴や年齢における制限が設けられていません。

しかし、合格後に競売不動産取扱主任者として登録を行うためには宅建士資格が必須となっています。

 

これは、競売不動産のみならず不動産取引における知識が一定以上のレベルでなければ、最終的に顧客のためにならないという判断からでしょう。

 

そのため、まずは宅建士資格の取得からスタートする必要があります。

 

青山一広 (著)
出版社: 住宅新報社; 改訂版、出典:出版社HP

 




 

2.給料について

 

では、競売不動産取引主任者の資格をとった場合年収や給料はどのようになるのでしょうか?

 

∟年収600万程度がメイン

競売不動産取引主任者は、前述のとおり宅建士でなければなることができません。また、競売不動産取引主任者単独での業務というのはほとんど無いと言えます。

そのため、最低でも宅建士資格者と同等レベルの年収が期待されます。

競売不動産取引主任者の資格を持つことでプラスアルファの収入が見込めるかどうかは、就業形態によるでしょう。

 

 

∟資格手当の有無

こちらは民間資格のため、企業から大々的に資格手当が出ることは期待できません。

今後国家資格化などの変化があれば、待遇にも期待できそうです。

 

青山一広 (著)
出版社: 住宅新報社; 改訂版、出典:出版社HP

 




 

3. 取得までの流れ

 

競売不動産取引主任者の資格を取るためにクリアすべき試験や、その概要についてまとめていきます。

 

∟試験概要

競売不動産取引主任者の試験は、競売不動産に関する知識・実務について問われます。

 

 

出題範囲は以下の通りです。

 

・不動産競売手続に関する基礎知識

取り扱われる不動産の特徴や、業界全体像などの基礎となる部分です。

 

 

・不動産競売の法理論と実務

競売不動産の出品〜引き渡しまでの手続きに必要な知識と実務について問われます。

 

 

・不動産競売を理解する前提となる法律

登記の申請手続きをメインとした知識・能力について

 

 

 

∟試験日程

年に1回、不動産競売流通協会が実施団体となって試験が行われます。

例年12月の第2日曜日に試験が行われ、翌年1月に合格発表がされます。

募集期間は8月〜10月末までです。

 

 

∟費用

受験には9,900円の費用が必要です。

 

青山一広 (著)
出版社: 住宅新報社; 改訂版、出典:出版社HP

 



4. 難易度について

 

合格率は約30%と不動産関係の資格の中では高めな数値が続いています。

主な理由は、宅建合格者(または挑戦中)の受験生が多くいるからでしょう。

 

 

∟学習方法

初学者の学習目安時間は「200時間〜300時間」です。

試験実施団体である協会から、公式テキストと問題集が発売されています。

これをしっかりやりこんで8割程度を安定して解くことができれば、確実に合格が狙えるでしょう。

 

 

∟取りやすさ

取りやすさは◯。

 

受験資格自体は年齢や職歴もなく、幅広く受け付けています。

学習範囲はかなり幅が広い印象ですが、実際の出題範囲はかなり限られているので対策がしやすいです。

また、宅建とのダブルライセンスが前提となっているので、すでに宅建試験を経験した人ならそこまで気負わずに挑戦できるでしょう。

 

 

∟活かしやすさ

活かしやすさは△です。

 

勤めている会社が取り扱う不動産によって、この資格が活かせるか活かせないかは大きく変わってきます。

将来的に独立をして幅広く不動産を取り扱いたい場合には、業務の幅を広げて信頼を得る一環として役立つでしょう。

 

 

 

青山一広 (著)
出版社: 住宅新報社; 改訂版、出典:出版社HP

 



競売不動産取引主任者ってどんな仕事?給料は?難易度や試験日程についてのまとめ

 

以上、競売不動産取引主任者の資格についてまとめました。

インターネットを通じて様々な情報を手に入れられるようになり、また一般の人も投資を行うのが当たり前になってきた昨今の日本。これから競売不動産に対する興味も高まっていくでしょう。

一部では国家資格化も囁かれているので、今のうちに挑戦しておくのも良いかもしれません。

興味を持った方は、ぜひ調べてみてくださいね。