宅建士になるメリットの一つとして、会社からの資格手当が受給されることが挙げられます。

しかし、宅建士は合格率が低めで、資格の取得までにもある程度の時間とお金が必要になるものです。

そこで今回は、宅建士の資格手当てに注目してメリットがどれほどのものなのかを改めて解説していこうと思います。

 

 



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1.宅建士の仕事について

 

そもそも、なぜ宅建の資格には資格手当が受給されるのでしょうか?

 

∟独占業務と設置義務があるため資格手当が出る

それは、宅建業務を行なっていく上で「宅建士」の出番が多いからです。それが、宅建士にしかできない【独占業務】と宅建業を営む上での【設置義務】です。

会社側は宅建についてのメリットを従業員に提示することで、人員の確保できるようにしているのです。

 

∟【独占業務】重要事項の説明・契約書類への記名

宅地建物の取引において、契約までの重要事項の説明や契約書類の作成が必要になります。

宅建士はこの「重要事項の説明」や「契約書類への記名」を行うことができます。

資格を持たない従業員がこの業務を行なってしまうと、会社が処分を受けることになってしまいます。

 

 

∟【設置義務】5人に対して1人の割合

宅建業を営む会社には、従業員5人に対して1人の割合で宅建士を設置する義務があります。

会社は宅建士資格を保有する従業員を雇い続ける必要があるのです。

 

もし宅建士資格を持った人がやめてしまった場合は2週間以内に補充することが求められています。

 

 

 

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2. 宅建士がもらえる資格手当について

 

以上の理由から、多くの宅建業者が宅建士の従業員のためにメリットとなる資格手当を出しているのです。

 

∟資格手当の相場

資格手当は1万〜3万円が相場と言われています。

月々の給料に上乗せされており、会社の規約で定められた条件をクリアしていればずっと支払われます。

 

∟1年・5年・10年の蓄積

1月だけの金額で見ると、あまり大きなメリットがないように見えます。

手当を2万円として、これを年間の収入差を見ていくと…

 

1年後 +24万円

5年後 +120万円

10年後 +240万円

 

年数を重ねるごとに、資格手当てによる積み重ねが大きくなっていくのがよくわかりますね。

 

∟宅建の資格は持つメリットが大きい

以上のことから、宅建士の資格は生涯年収において非常に大きなメリットを持っていると言えるでしょう。

特に学歴や年齢の制限がないので、なるべく早めに取っておくことでより大きなメリットを得ることができます。

 

 

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3. 取得費との相殺について

 

宅建士の資格は、ある程度のお金をかけて取得する必要があります。

資格手当をもらう前からある程度の持ち出しが出てきますので、どの辺りからプラスになるのかをしっかり把握しておかないと損をした気持ちになってしまいます。

 

∟資格取得までにかかる費用

宅建士として仕事ができるようになるには

 

・宅建士試験の合格

・資格登録

・宅建士証の発行

 

の3つの段階でそれぞれお金がかかります。

総額は約8万円です。

 

詳しい金額については、こちらの記事をご覧ください。

 

宅建士の維持費はいくら?試験開始〜宅建士証を持ち続けるまでの総額をまとめてみた

 

∟給与と同じ扱いなので、税金の対象になる

また、資格手当は給料に上乗せされる形で支給されます。

そのため資格手当を含めた支給額全体に所得税・住民税が課せられることになります。

 

場合によっては、年収の増加によって社会保険における受給要件をオーバーしてしまい、家計全体で見た時にマイナスになってしまうことも。

 

税金で損をしたくない人は、専門家の話を聞いてみることも大切です。

 

 

∟プラスになるのは半年後から

資格取得にかかるお金が8万円だとすると、資格手当がもらえるようになってからおよそ半年間は「取得にかかった金額との相殺」ということになります。

実質的にプラスになった実感が持てるのは半年経過した頃からでしょう。

 

資格取得のための勉強時期なども含めると、総合的にメリットを得られるようになるまでは1年ほどの時間が必要になります。



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4. 資格手当をもらうために必要な工夫

 

1年間の時間と約8万円のお金。

これらをなるべく無駄にせずに、宅建士の資格手当てでメリットを感じるために必要な工夫は以下の3つです。

 

 

∟会社の規約をきちんと確認しよう

まずは、会社の規約として「資格手当」が存在するかどうかをきちんと確かめましょう。

多くの不動産会社が出しているからといって、自分の所属する会社が手当を支給しているかどうかはわかりません。あくまで会社側が決めていいルールのため、資格手当がなくても違法でもなんでもないのです。

 

逆に、宅建士の資格取得に関わるお金を経費として援助してくれる可能性もあります。

きちんと会社側に確認を取ってから動き始めると良いでしょう。

 

∟教材費をケチらず、なるべく一発合格しよう

宅建士試験の合格率は27~35%と、なかなかの難易度です。

そのため2回、3回と挑戦を繰り返す人も多いのですが、こうなってしまうと資格手当のメリットが年々少なくなってしまいます。

 

多少割高でも、通信講座や模試などにしっかりお金を払って学習環境を整えましょう。

 

∟合格後は忘れずに登録しよう

宅建士試験に合格しただけでは、宅建士として仕事をすることができません。

合格後に資格登録・宅建士証の発行という動きが必要になります。

 

この登録・発行を行わなくても、一度試験に合格したという事実は無くなりません。

しかし、試験合格から1年以上経過してから登録を行おうとすると「法定講習」の受講が必要になります。

これには1〜2万円の費用がかかってしまいます。(不動産取引の実務経験が2年未満の場合は、登録実務講習も必要)

追加での出費となってしまいますので、合格した場合は今すぐ必要がなくても宅建士証の発行まで一気に済ませてしまうことをお勧めします。

 

 

宅建士の資格手当の相場はいくら?どのくらい年収が上がるのかを改めて計算してみるのまとめ

 

宅建士のメリットとして大きく取り上げられる「資格手当」ですが、年収のプラスとして実感できるまでにはそれなりの出費と時間が必要になることがよく分かりましたね。

ここを理解しないままだと「宅建を取ったのにメリットが思ったほどなかった」というように感じてしまうかもしれません。

 

メリットに注目してモチベーションを上げることも大切ですが、実情と照らし合わせながら「なぜ宅建合格を目指すのか」を考え直すことも必要ですね。