受動態の基本形とbyの省略について

基礎英語のひとつである受動態について、基本形とbyの省略形について解説していきます。中学校で習う基礎英語の範囲であるため、押さえておいてほしい文法の範囲です。TOEICで高スコアを取るための知識として受動態を理解しましょう。

 

受動態の基本と省略形を確認しよう

今回は、受動態について説明していきます。能動態の文章では、「AがBに〇〇した」とAのBに対する行為について表現しますが、受動態を使うと「AがBに〇〇された」とAが受け身の文章を作ることができます。受動態の基本的な形は、「主語(行為を受けた人・物)+be動詞+過去分詞+by行為をした人・物」となります。百聞は一見に如かず、基本形を抑えながら能動態と受動態の文章を見比べてみましょう。

 

 

【例文】
能動態:She ate an apple.(彼女はリンゴを食べた)
受動態:An apple was eaten by her.(リンゴは彼女に食べられた)

 

 

上記の例文のように、受動態の文章を作る場合は、動詞を過去分詞形にしてbe動詞の後ろに置きます。そして、行為をした人・物を前置詞「by」の後ろに置きます。ちなみに、「by」以下の行為者・物は省略することができます。特にTOEIC®のほとんどの問題では、省略した文章を設問として採用しています。まずは省略形を見る前に、基本的な受動態の文章問題を解いてみましょう。

 

 

問題1:Aconoi Inc. announced that the strategic plan related to the Japanese marketing would be ______ next year.
(A)implemented
(B)being implemented
(C)implement
(D)implementing

 

 

この問題の場合、that節内の「the strategic plan related to the Japanese marketing will be ______ next year.」の主語は、「the strategic plan related to the Japanese marketing(日本のマーケティングに関連した戦略プラン)」です。選択肢の「implement」は「実行する」という意味で、設問中での行為者は「Aconoi Inc.」になります。この文章の場合、プランは“実行される側”となります。つまり、空欄には受動態が入り、「implement」の過去分詞形(A)implementedが答えとなります。

 

 

【日本語訳】
株式会社Aconoiは、来年、日本のマーケティングに関連した戦略プランを実行すると発表した。

 

 

TOEIC®の文法問題やリーディングのパッセージなどで登場するのが、関係代名詞「which」とbe動詞を省略した受動態です。例えば、「I saw a book written by Hikari.」という文は、関係代名詞「which」を使って「I saw a book which is written by Hikari.」と書き換えることが可能です。

 

 

この場合、“本”は“Hikari”によって書かれているので、関係代名詞を挟むことで本に対する受身の文章になり、「Hikariによって書かれた本を見た」という表現をすることができます。それでは次の問題2を見ていきましょう。

 

 

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出典:出版社HP

問題2:The result will be vary due to the quality of education ______ in the seminar.
(A)providing
(B)provided
(C)has provided
(D)will provide

 

 

さて、まず主語と主語に対応する動詞を探すと、「the result(結果)」と「vary(変わる)」ということがわかります。問題文にはすでに動詞が入っているので、(C)と(D)は適切ではないと判断できます。では、(A)と(B)のどちらかを考えるとき、空欄の前に「関係代名詞which+be動詞」の形を入れて考えてみましょう。

 

 

(A)の場合:the quality of education which is “providing” in the seminar.
(B)の場合:the quality of education which is “provided” in the seminar

 

 

「education」は提供“する側”でなく“される側”なので、受け身の文が正しいことがわかります。よって、答えは(B)providedになります。訳は「結果はセミナーで提供された教育の質によって変化する」になります。

 

 

今回は受動態について解説してきました。簡単そうに見えて、前置詞「by」による行為をした人・物を関係代名詞「which+be動詞」で省略できることを知らないと解けなかったりします。TOEIC®以外の様々な試験でも省略形が多用されているので、受動態に関する知識を再確認して問題を落とさないようにして下さい。