労働安全コンサルタントは、依頼を受けた企業の労働環境水準向上のために適切な指導を行う専門家です。
今回は、労働安全コンサルタントの資格試験の難易度について詳しく見ていきたいと思います。
、出典:出版社HP
労働安全コンサルタントとは
企業や事業所によっては危険物や大型の設備を使用しているところも多く、少しの不注意や環境整備不足によって大規模な労働災害へと繋がってしまうこともあります。このような事態を避けるため、労働環境の適切な診断及び改善のための指導を行うのが労働安全コンサルタントです。
近年、技術の進歩に伴う設備の大型化や高性能化により、大規模な事故が起こるリスクも高まっています。さらに、いち従業員から企業単位まで、全体的に安全に対する意識も向上しているため、需要が高まっている職種です。
労働安全コンサルタントの試験概要は?
労働安全コンサルタントとなるには、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が運営する同名の資格試験に合格する必要があります。ここでは、その試験概要についてご紹介します。
労働安全コンサルタント試験には、実務経験または他資格の取得等の受験資格が設けられていることに注意してください。学歴にもよりますが、最低でも5年以上の実務経験が必要となります。技術士、一級建築士、第1種電機主任技術者等の試験に合格している場合は、実務経験を積むことなく受験が可能です。受験資格は他にも設定されていますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。
試験は筆記試験と口述試験に分かれていて、筆記試験が免除の場合か合格した場合のみ口述試験を受験することができます。試験は、機械、電気、化学、土木、建築の5分野に分かれていて、自分の専門を選んでの受験となります。筆記試験は選択式で行われる「産業安全一般」「産業安全関連法令」、記述式で行われる「専門科目」の3科目から、口述試験は「産業安全一般」「専門科目」の2科目から構成されます。
試験科目 | 試験形式 | 試験時間 | ||
筆記試験 | 共通 | 産業安全一般 | 択一式 | 2時間 |
産業安全関係法令 | 択一式 | 1時間 | ||
専門 | 機械安全、電気安全、化学安全、
土木安全、建築安全の中から1科目選択 |
記述式 | 2時間 | |
口述試験 | 共通 | 産業安全一般 | 口述式 | 15分 |
専門 | 機械安全、電気安全、化学安全、土木安全、
建築安全の中から1科目選択 |
合格基準は、筆記試験が「総点数の概ね60%以上であることかつ、1科目につきその満点の40%未満の科目がないこと」、口述試験が「4段階評価の上位2ランクであること」と設定されています。
受験料は24,700円で、合格後は登録料としてさらに20,000円がかかります。
労働安全コンサルタントの難易度は?
労働安全コンサルタントの難易度はどの程度なのでしょうか。
難易度を示す指標のひとつとして合格率がありますが、労働安全コンサルタントの合格率は20%程度となっています。試験形式別に見ると、筆記試験の合格率が約30%、口述試験の合格率が約80%となっています。
合格率20%というだけでもなかなか難しい資格試験の部類に入ると思いますが、さらに労働安全コンサルタントは受験資格が設けられているため、受験者全体のレベルも高いと考えられます。実務経験をそれなりに積んでいても5人に1人しか合格できていないと考えると、かなり難易度の高い資格試験であるといえます。
ただし、取得の難易度が高い分資格保有者の絶対数は少ないため、取得後のメリットは大きくなるでしょう。
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労働安全コンサルタントの難易度のまとめ
今回は、労働安全コンサルタントの難易度についてまとめてきました。
労働安全コンサルタントは、実務経験をもつようなレベルの高い受験者の中でも20%程度しか合格することのできない難関資格です。その分取得後のメリットは大きいと思いますので、是非取得を目指して頑張ってみてください。