今回の記事では、証券アナリストのプログラム改定について詳しく紹介していきます。

証券アナリストとはどのようなもの?

まず初めに、資格について簡単に紹介します。証券アナリストとは、証券会社や運用会社などの金融機関で、企業などを対象として経済状況の調査や分析を行う人のことを指します。証券アナリストになるためには、「日本証券アナリスト協会」が主催している試験に合格することが必要です。

そして、この試験を受けるためには、「日本証券アナリスト協会」が主催している通信講座を受講しなければなりません。通信講座を受講した後、試験を受験し合格することではじめて証券アナリストになることが出来る、ということです。試験で出題される内容は、証券分析業務に必要な基本的な知識や分析力などを問うようなものです。

証券アナリスト試験の概要

次に、試験の概要について紹介します。

試験は、第一次試験と第二次試験の2つが存在します。第一次試験では3科目が出題され、科目ごとに合否が設定されており、すべての科目に合格することが必須です。

一方、第二次試験では、4科目が出題され、総合の得点で合否が決まります。また、一次試験と二次試験では出題内容、試験方式、合格基準の目安、試験日などの様々な違いがあります。詳しくは、以下の試験概要をまとめた表をご覧ください。

第一次試験 第二次試験
受験資格 証券アナリスト(CMA)第一次レベル講座の受講をした者

(年齢・学歴の制限なし)

第一次試験の3科目に全て合格し、証券アナリスト(CMA)第二次レベル講座の受講をした者
試験方式 マークシート方式 主に記述方式
出題方式 選択肢一択形式 主に記述形式
合格基準(目安) 6割程度 5割以上
試験時間 計360分

(P.A:180分/Z:90分/K:90分※)

計420分

(午前:210分/午後:210分)

試験日 4月頃/9月~10月頃(年2回) 6月上旬(年1回)
講義受講料 60,000円(一般受験者) 53,500円
受験料 計12,700円

(P.A:6,300円/Z:3,200円/K:3,200円※)

8,400円
試験会場 国内9都市、海外3都市

※P.Aはポートフォリオ・マネジメント科目、Zは財務分析科目、Kは経済科目

北川 哲雄 (著), 貝増 眞 (著),加藤 直樹 (著), 日本証券アナリスト協会 (編集)
出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社; 第4版 (2013/9/27)、出典:出版社HP

証券アナリストのプログラム改定とは?

それでは本題の、プログラム改定について説明していきます。

2021年、日本証券アナリスト協会は証券アナリストプログラムを改定し、新カリキュラム体系に基づく試験を、第一次試験は2022年から、第二次試験は2023年からそれぞれ開始することを発表したのです。

 

第一次で3分野、第二次で4分野が含まれるというカリキュラムだったものが、改定後では、第一次と第二次に共通する6つの学習分野に再編されます。詳しくは、以下の表をご覧ください。

改定前カリキュラム

学習分野(第一次)
証券分析とポートフォリオ・マネジメント
財務分析
経済
学習分野(第二次)
証券分析とポートフォリオ・マネジメント
コーポレート・ファイナンスと企業分析
市場と経済の分析
職業倫理・行為基準

新カリキュラム

学習分野(第一次・第二次)
証券分析とポートフォリオ・マネジメント
財務分析
コーポレート・ファイナンス
市場と経済の分析
数量分析と確率・統計
職業倫理・行為基準

また、このカリキュラム体系変化の影響で、試験時間が第一次試験・第二次試験ともに360分に変更されます。ただ、実施時期や試験時間、出題形式に変化はなく、従来通りのようです。

証券アナリスト試験のまとめ

今回は、証券アナリストのプログラム改定について紹介しました。

証券や財務の知識を身に着けたい、自身のスキルを向上させたいなどで興味がある人は、是非この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。

証券アナリスト研究会 (著)
出版社 ‏ : ‎ TAC出版; 2021年試験対策版 (2021/1/24)、出典:出版社HP