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「役立つ資格を取得したい」
「学生でも取得できる資格が欲しい」
このような方におすすめなのが「危険物取扱者」という資格です。
本資格は、危険物を取り扱う際に必要となる資格で、様々な分野において活用することができます。
本記事では、危険物取扱者試験の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
危険物取扱者試験について
石油類や金属粉など燃焼性の高い物質は消防法において危険物に指定され、これらの製造、貯蔵、取扱いにおいては危険物取扱者の資格が必要となります。
取扱いができる危険物の種類や業務範囲において免状が区分けされていて、その分類に沿って試験も行われています。資格ごとの取扱いのできる危険物は下記表のように定められています。
甲種 | すべての種類の危険物 | |
乙種 | 第1類 | 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類等 |
第2類 | 硫化リン、赤リン、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム等 | |
第3類 | カリウム、アルキルアルミニウム、黄リン等 | |
第4類 | ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等 | |
第5類 | 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物等 | |
第6類 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸等 | |
丙種 | 引火性液体 |
※甲種・乙種は取扱作業及びその立ち会い、丙種は取扱作業のみ可能
危険物取扱者試験は、甲種・乙種・丙種の3つの区分に分かれていて、乙種はさらに第1〜第6類に分かれます。
「乙4」という単語を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは乙種危険物取扱者第4類のことを指します。ガソリンスタンドの運営に必要とされる資格なので取得者数が多く、有名な資格となっています。このように危険物取扱者はアルバイトレベルでも資格手当や待遇アップにつながる、非常に取得メリットのある資格です。
それでは、危険物取扱者試験の概要に関して以下にまとめていきます。
甲種 | 乙種 | 丙種 | |
受験資格 | あり | なし | |
試験方式 | 五肢択一式 | 四肢択一式 | |
問題数 | 45問 | 35問 | 25問 |
試験時間 | 150分 | 120分 | 75分 |
受験料 | 6,600円 | 4,600円 | 3,700円 |
合格基準 | 試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上 | ||
試験科目 | ・危険物に関する法令(15問) |
・物理学及び化学(10問)
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(20問)
・危険物に関する法令(15問)
・基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)
・危険物に関する法令(10問)
・燃焼及び消火に関する基礎知識(5問)
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)
危険物取扱者試験では、甲種のみ下記のような受験資格が設けられています。乙種・丙種には受験資格がないので、どなたでも受験できます。
【甲種受験資格】
・大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
・大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
・乙種危険物取扱者免状を有する者
・修士・博士の学位を有する者
試験問題は、全て選択式で出題されますが、甲種・乙種は五肢択一式、丙種は四肢択一式となっています。問題数は甲種が45問、乙種が35問、丙種が25問です。
試験は各種3科目に分かれていて、それぞれ60%以上の得点で合格となります。
続いて、危険物取扱者の合格率を見てみましょう。
【合格率】
2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | ||
甲種 | 35.7% | 41.3% | 42.5% | 39.5% | 39.8% | |
乙種 | 第1類 | 68.6% | 70.3% | 71.5% | 67.9% | 66.9% |
第2類 | 69.1% | 72.7% | 70.8% | 68.5% | 68.3% | |
第3類 | 70.5% | 68.9% | 70.8% | 68.2% | 67.7% | |
第4類 | 32.3% | 37.1% | 38.6% | 38.6% | 39.0% | |
第5類 | 70.5% | 70.0% | 71.2% | 68.7% | 66.1% | |
第6類 | 68.6% | 69.4% | 68.5% | 67.0% | 64.4% | |
丙種 | 51.6% | 52.8% | 54.0% | 50.4% | 51.2% |
危険物取扱者の合格率は甲種で40%程度、乙種では第4類のみ40%程度ですが、それ以外の区分では70%程度、丙種は50%程度となっています。
危険物取扱者試験の対策ポイント
上記項目で見たように、甲種が1番合格率が低く約40%、乙種が約70%、丙種が約50%となっています。
乙種では、第4類のみ40%程度となっていますが、これは受験者の数が多く、レベルに幅があることが原因として挙げられ、試験自体が特別難しいわけではないので、しっかり対策して臨めば十分合格が可能です。
勉強時間としては、甲種で80〜120時間、乙種で60〜90時間、丙種では30〜60時間程度が目安となります。ただし、高校化学レベルの知識が必要となりますので、ご自身の前提知識をしっかりと確認した上で計画を立てましょう。
それでは、危険物取扱者試験の対策ポイントを見ていきましょう。
法令科目については、暗記科目となっています。選択式ではありますが、数値などの細かなところまで出題されるので、正確な知識をつけておく必要があります。
甲種の「物理学及び化学」、乙種の「基礎的な物理学及び化学」については計算問題が肝となります。問題数も10問と少なく、その中で60%以上の得点が必要となるので1問あたりの比重も大きいです。苦手はしっかりと潰しておきましょう。
対して、丙種の「燃焼及び消火に関する基礎知識」は知識問題となっています。燃焼に関する化学反応の問題や、消化の方法などが出題されます。
「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」については、危険物ごとの特徴を正確に覚える必要があります。特に、甲種では全危険物が試験範囲となり数が多いので、しっかりと時間をとって対策していきましょう。
一部科目免除について
危険物取得者試験では、科目免除制度があります。
【乙種試験 科目免除】
免除資格者 | 免除種類 | 試験科目 | 免除 | 問題数 | 試験時間 |
乙種危険物取扱者免状を有する者 | 全類 | 法令 | 全部 | 0問 | 35分 |
物化 | 全部 | 0問 | |||
性消 | - | 10問 | |||
火薬類免状を有する者 | 1類
5類 |
法令 | - | 15問 | 90分 |
物化 | 一部 | 4問 | |||
性消 | 一部 | 4問 | |||
乙種危険物取扱者免状を有し、かつ火薬類免状を有する科目免除申請者 | 1類
5類 |
法令 | 全部 | 0問 | 35分 |
物化 | 全部 | 0問 | |||
性消 | 一部 | 5問 |
火薬類免状とは、以下の2種類を指します。
・甲種、乙種及び丙種の火薬類製造保安責任者免状
・甲種及び乙種の火薬類取扱保安責任者免状
【丙種試験 科目免除】
免除資格者 | 試験科目 | 免除 | 問題数 | 試験時間 |
5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち基礎教育又は専科教育の警防科を修了した者 | 法令 | - | 10問 | 60分 |
物化 | 全部 | 0問 | ||
性消 | - | 10問 |
乙種資格の取得者で、別の区分を受験する場合などは科目免除制度が使えるので、ぜひ活用してみてください。
危険物取扱者試験のおすすめ参考書
それでは、危険物取扱者試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.らくらく突破 甲種危険物取扱者 合格テキスト+問題集
甲種用のテキストです。図や表を使ってわかりやすく丁寧に解説されています。語呂合わせの覚え方なども載っていて、試験に必要な知識が身につけやすいです。
2.ユーキャンの甲種危険物取扱者 速習レッスン
レッスンごとに○×問題が掲載されていて、知識が定着しやすい構成になっています。別冊ポイント集もついているので、出先や試験当日にまとめて要点を確認するのに便利です。
3.甲種 危険物取扱者試験
令和4年から過去8年分の過去問、計732問が掲載されています。過去問を解く前の確認に使える「テキスト」、過去問を解いた後の疑問を解決できる「正解と解説」が載っているので、これ一冊で対策を進められます。
4.乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験
令和4年〜平成25年度の試験で出題された過去問の中から、近年の出題傾向に沿った問題が514問収録されています。ただし、本書は科目免除者を対象とした問題集で、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」科目に特化しているので、乙4の対策テキストなども併せて学習する必要があります。
5.乙種4類 危険物取扱者試験
過去10年分の過去問、535問が掲載されています。乙種4類用のテキストですが、「法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」科目の対策に使うのもおすすめです。
6.ユーキャンの丙種危険物取扱者 速習レッスン
初めて危険物取扱者試験に挑戦する方でも取り組みやすいように、イラストや重要ポイントでわかりやすくなっています。レッスンの導入には1コマ漫画もあり、学習内容に入りやすい工夫がされています。
7.丙種危険物取扱者試験
丙種試験の過去問288問が収録された過去問集です。危険物取扱者試験では過去問の類似問題の出題も多いので、過去問を使ってしっかりと対策しておくことで合格へと近づくことができます。
危険物取扱者試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、危険物取扱者試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
危険物取扱者は、アルバイトでも待遇アップにつながるなど取得メリットの高い資格です。需要も高いので、役立つ場面も多いと思います。
是非この機会に危険物取扱者の受験を検討してみてはいかがでしょうか。