「高圧ガス取り扱いのための資格が欲しい」

「専門的な資格を取得したい」

 

このような方におすすめなのが「高圧ガス製造保安責任者」という資格です。

本資格は、高圧ガスに関する第一種製造者等にあたる事業所において責任者として選任されるために必要となります。

 

本記事では、高圧ガス製造保安責任者の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。

 

高圧ガス製造保安責任者試験について

圧縮ガスや液化ガスなどを高圧ガスと言い、それらの製造業務の保安監督を務めるのが高圧ガス製造保安責任者です。責任者として選任されるには、同名の国家試験に合格し、免状を取得する必要があります。

 

高圧ガス製造保安責任者は免状が9種類に分かれていて、区分ごとに取り扱いができるガスが異なりますので、ご自分に必要な免状を取得しましょう。

 

それでは、高圧ガス製造保安責任者試験の概要に関して以下にまとめていきます。

 

甲種化学

甲種機械

第一種冷凍機械

乙種化学

乙種機械

丙種化学(液石)

丙種化学(特別)

第二種冷凍機械

第三種冷凍機械
受験資格 なし
試験方式 【法令】選択式

【保安管理】選択式

【学識】記述式

【法令】選択式

【保安管理】選択式

【学識】選択式

【法令】選択式

【保安管理】選択式

問題数 【法令】20問

【保安管理】15問

【学識】5〜6問

【法令】20問

【保安管理】15問

【学識】10〜20問

【法令】20問

【保安管理】15問

試験時間 【法令】60分

【保安管理】90分

【学識】120分

【法令】60分

【保安管理】90分

【学識】120分

【法令】60分

【保安管理】90分

受験料 【電子申請】17,300円

【書面申請】17,800円

【電子申請】11,100円

【書面申請】11,600円

【電子申請】9,800円

【書面申請】10,300円

合格基準 各科目60%以上の得点
試験科目 ・法令

・保安管理

・学識

・法令

・保安管理

 

高圧ガス製造保安責任者試験は、「甲種化学」「甲種機械」「乙種化学」「乙種機械」「丙種化学(液石)」「丙種化学(特別)」「第一種冷凍機械」「第二種冷凍機械」「第三種冷凍機械」の9種類に分かれています。いずれにも受験資格は設けられていません。

 

試験は、「法令」「保安管理技術」「学識」の3科目(第三種冷凍機械は「法令」「保安管理技術」の2科目)で行われ、全科目で60%以上の得点で合格となります。

 

法令科目は60分、保安管理技術科目90分、学識科目は120分間で行われます。出題形式や問題数は上記の通り、区分や科目によって異なります。

 

続いて、高圧ガス製造保安責任者の合格率を見てみましょう。

 

高圧ガス製造保安責任者試験の合格率

2021年 2020年 2019年 2018年
甲種化学 67.7% 48.5% 49.3% 58.7%
甲種機械 67.1% 49.9% 48.6% 52.3%
乙種化学 41.9% 37.2% 45.4% 46.2%
乙種機械 38.6% 31.6% 39.2% 36.9%
丙種化学(液石) 43.4% 27.7% 38.5% 35.1%
丙種化学(特別) 52.7% 38.8% 51.8% 54.7%
第一種冷凍機械 56.1% 37.8% 53.2% 64.9%
第二種冷凍機械 50.8% 40.6% 45.5% 49.1%
第三種冷凍機械 46.8% 24.5% 40.5% 48.1%

 

ここでは、科目免除者も含めた合格率を示しています。高圧ガス製造保安責任者の合格率は、どの区分でも40〜50%程度です。

 

高圧ガス製造保安責任者試験の対策ポイント

上記項目で見たように、高圧ガス製造保安責任者試験の合格率は40〜50%程度で、難易度的には普通程度です。しかし、これは科目免除者も含めた合格率のため、全科目受験の場合は20〜30%程度に低下します。

 

学習期間としては3ヶ月〜半年程度が目安となるようです。試験は年に1回の開催なので、余裕をもって勉強を進められるように計画を立てましょう。

 

それでは、科目別の対策ポイントを見ていきましょう。

 

高圧ガス製造保安責任者試験は3科目で行われますが、そのうちの「法令」、「保安管理技術」の2科目は暗記科目です。加えて、過去に出題された問題に似た問題が出題されることが多いので対策もしやすいです。対策した分だけ結果につながりやすい科目なので、落とすことのないようしっかりと勉強しておきましょう。

 

それに対して、「学識」科目では計算問題や、語彙の説明に関する問題が出題されます。区分によっては記述式で出題されるので、対策しておかないと解答が難しい科目です。高校物理程度の知識が必要となり、前提知識に左右されやすいので、自分の実力を把握した上で計画を立てましょう。

 

試験科目一部免除制度について

高圧ガス製造保安責任者試験では、科目免除制度があります。上記項目で示した合格率は科目免除者も含めていますが、全科目受験者のみの合格率を見ると20〜30%程度になります。

 

そこで本項目では、試験科目一部免除制度について見ていきます。

 

・講習制度

 

高圧ガス保安協会が主催する講習の過程を修了しておくと、科目免除が受けられます。保安管理技術科目と学識科目が免除となり、法令科目のみの受験となります。講習修了書には有効期限はないので、1度修了しておけばいつでも免除を受けられます。

 

・高圧ガス製造保安責任者試験合格者

 

高圧ガス製造保安責任者試験に合格している方が他の区分を受験する場合、一部科目免除を受けられる場合があります。保有している免状と新たに受験する区分によって免除科目が異なりますので、詳しくは公式サイトをご参照ください。

 

高圧ガス製造保安責任者試験は、普通に受験すると合格率20〜30%程度の難関試験です。科目免除を受けることで、受験する科目に専念することができ、合格の可能性が高まります。スムーズに合格したい方、独学では不安がある方などは一度科目免除制度を検討してみてください。

 

高圧ガス製造保安責任者試験のおすすめ参考書

それでは、高圧ガス製造保安責任者試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。

 

1.高圧ガス保安技術 (甲種化学・機械講習テキスト)

 

甲種化学・機械の公式テキストです。講習用のテキストですが、保安管理技術、学識科目の対策として役立てられます。甲種用の市販の参考書は少ないので、こちらを持っておくと安心です。

 

2.中級 高圧ガス保安技術 (乙種化学・機械講習テキスト)

 

乙種化学・機械用の公式テキストです。こちらも甲種用と同様、講習用のテキストですが、保安管理技術、学識科目の対策として役立てられます。

 

3.初級 高圧ガス保安技術 (丙種化学特別講習テキスト)

 

丙種化学(特別)用のテキストです。こちらも講習用テキストなので、出題内容通りに学習したいという方にもおすすめです。

 

4.液化石油ガス保安技術(丙種化学液石 講習テキスト)

 

丙種化学(液石)の講習用テキストです。公式テキストなので、試験範囲に沿った学習ができる本となっています。

 

5.高圧ガス製造保安責任者試験 乙種化学 攻略問題集

三好康彦
出版社 ‏ : ‎ オーム社 、出典;出版社HP

 

三好 康彦
出版社 ‏ : ‎ オーム社 、出典;出版社HP
三好康彦
出版社 ‏ : ‎ オーム社 、出典;出版社HP

乙種機械向けの問題集です。2021年度試験から過去6年分の問題を出題分野に沿って整理・分類してあり、重要度と頻出問題がわかりやすくなっています。選択肢ごとの詳しい解説もされているので、これ一冊で進められます。同じシリーズで乙種機械、丙種化学(特別)の問題集もあります。

 

 

6.高圧ガス製造保安責任者試験 丙種化学(液石) 合格問題集

三好康彦
出版社 ‏ : ‎ オーム社 、出典;出版社HP

 

上記問題集の丙種化学(液石)バージョンです。こちらも7年分の問題が出題範囲別にまとまっているので、分野別の対策も可能です。

 

7.第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集

電気書院
出版社 ‏ : ‎ 電気書院 、出典;出版社HP

 

電気書院
出版社 ‏ : ‎ 電気書院、出典;出版社HP

5年分の試験問題の全問題とその解説が掲載されています。第1種と第2種がまとめられており、第3種用のものも出版されています。

 

 

高圧ガス製造保安責任者試験のおすすめ参考書のまとめ

ここでは、高圧ガス製造保安責任者試験のおすすめ参考書をご紹介しました。

 

高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガスを製造している事業所への配置が義務付けられていて、安定した需要のある資格です。

 

是非この機会に高圧ガス製造保安責任者の受験を検討してみてはいかがでしょうか。