あげくの果てのカノン

米代恭
出版社: 小学館、出典:出版社HP

地球外生命体の侵略を受けた近未来の東京。高月(こうづき)カノンは、高校時代からストーカー的に想いを寄せる境(さかい)先輩と、アルバイト先の喫茶店で再会を果たす。しかし、彼には妻がいた。境は、「ゼリー」と呼ばれる地球外生命体との戦闘で身体を著しく負傷し、「修繕」という処置を受けていた。修繕には「処置を受けた人間の心が変化する」というデメリットがあった。一人の女の子が世界をも巻き込み暴走する、SF×不倫の異色の恋愛漫画。

あなたはブンちゃんの恋

宮崎夏次系
出版社:講談社、出典:出版社HP

強い「好き」の気持ちは、私たちを、おかしくする。まるで怪物みたいに。女╳女╳幽霊の三角関係——「愛」と「孤独」を描き続ける作者が紡ぎ出す、クレイジーラブストーリー。片想いのやりきれなさ、好きな人に嫌われる前にいっそ自分から嫌いになりたいと願う混乱した心、好きな人を強く想うあまりにとってしまう奇行……恋に不向きな主人公・ブンちゃんの「苦しさ」と「変さ」がいとおしく、どこか自分のなかにもブンちゃんがいるのではないかと思わせられる作品。

フールナイト

安田佳澄
出版社:小学館 、出典:出版社HP

ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなった遥か未来の地球。植物が枯れ酸素も薄くなった世界。
しかし人類は、人を植物に変える技術を開発し、わずかな酸素を作り出して生き延びていた。先の見えない世界でも人として生きるか、苦しみを捨て植物として新たな生へ踏み出すか。人々は選択を迫られる−−。圧倒的熱量で描かれた線画の中に、現在の若者の現在意識と通ずる、絶望が描かれている。

わたしは真悟

楳図かずお
出版社:小学館 、出典:出版社HP

恐怖漫画の第一人者である梅図かずおが、恐怖テイストを控えめにして、神とは何か、意識とは何かといった、形而上学的なテーマに挑んだ意欲作。表紙の扉絵は圧倒的な美しさで描かれ、産業用ロボットの日本における受容とその社会的影響、謎めいたメッセージ、血管や神経を持った生物であるかのように描かれたロボットの内部構造、人間の悪意の存在するところに必ず現れる謎の虹など、見どころ満載である。21世紀となった今日ではコンピュータやロボットの描写に古さも目立つが、昭和時代の作品であることを考えると、現代のネットワーク時代を見事に予言していたという点でも注目される。

青野くんに触りたいから死にたい

椎名うみ
出版社:講談社、出典:出版社HP

愛を捧げるたびに何かを失う。幽霊と女子高生――断絶した世界のふたりが紡ぐ、濃密で一途なホラーラブストーリー。交際をスタートさせる優里と青野、2週間後、青野は交通事故で亡くなってしまう。優里は後追い自殺をしようとするが、そこに幽霊となった青野が現れる。好きな人に再会できた喜びとは裏腹に、周囲で不可解な出来事が起こり始める。2人の関係性が「ユーモアと狂気の描写を織り交ぜ」ながら描かれていて、読み進めるごとに増幅する恐怖が病みつきになる1冊。

天国大魔境

石黒 正数
出版社:講談社 、出典:出版社HP

美しい壁に囲まれた世界で暮らす子供たちと荒廃した未来の日本、ふたつの世界を行き来するSFアドベンチャー。トキオはある日、「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取り──外の世界では、未曾有の大災害から15年が経ち、現代文明は完全に破壊され、生き残った人々はまだ使える施設を利用しながら細々と生活していた。そんな荒廃した日本を、少年少女が‘’天国‘’を探しに大冒険が始まる!

不滅のあなたへ

大今良時
出版社:講談社、出典:出版社HP

何者かによって、あらゆるものに姿を変化させられる“球”がこの地上に投げ入れられた。その謎の存在はある日、一人の少年に出会う。雪に包まれ、地平線がどこまでも続く世界で少年は一人で生活していた。少年は豊かな土地に夢を馳せ、旅を始めるも挫折。志半ば命が尽きる。”球”は少年の姿を獲得し、あらゆる刺激を求め、歩きはじめた。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは“球”だったのもがさまざまなものと出会い、自分を獲得していく物語。

宝石の国

市川春子
出版社:講談社 、出典:出版社HP

今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。これは強くてもろくて美しい、戦う宝石たちの物語。「このマンガがすごい!2014年」オトコ編第10位、累計発行部数は180万部を突破している。

北北西に曇と往け

入江 亜季
出版社:KADOKAWA、出典:出版社HP

旅、ときどき探偵。舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。3つ、その職業は、探偵――。あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。北欧アイスランドを愛車ジムニーで駆け巡る、ジュヴナイル・ミステリ!

蟲師

漆原友紀
出版社:講談社、出典:出版社HP

動物でも植物でもない、生命の原生体たるモノ──“蟲”。時にヒトに影響を及ぼし、奇妙な現象を招く妖しき存在。そんなモノとヒトとをつなぐ“蟲師”ギンコが、様々な蟲によって引き起こされる事象に対峙していく物語。様々な蟲とヒトが引き寄せられ起こる出来事が、奇妙でありながらも、どこか美しさを感じる。1話完結で物語が進んでいくので、見たことのない蟲の図録を眺めているような1冊。