コンテンツ
孤独のグルメ
何にも縛られることなく、食べたいときに食べたいものを食べる主人公・井之頭五郎。何の変哲もない、けれども特別なひとり飯の至福を描いた食漫画の金字塔。2022年ではSeason10までテレビドラマシリーズ化されるほどの大ヒット作である。劇的な展開などは少なく、あたかもドキュメンタリーのごとく淡々と物語が進行するだけなのだが、中年男が独りでひたすらに食事を楽しむシーンには、なぜか食い入ってしまう。
美味しんぼ
2020年10月時点で累計発行部数は1億3500万部を突破し、「食」ブームを巻き起こした大人気作!「東西新聞」文化部記者の山岡士郎と栗田ゆう子を主人公とし、「究極のメニュー」作りを通して様々な人々が抱える悩みを、食を通じて解決させるストーリー。それまでの料理漫画には見られなかったリアリティあふれる描写が好評を博し、テレビアニメ、テレビドラマ、映画など様々なメディア展開が行われている。
食戟のソーマ
名門料理学校「遠月学園」を舞台に、下町の定食屋の息子である料理人の少年・幸平創真(ゆきひらそうま)の活躍と成長を描く料理・グルメ漫画。料理対決や登場する料理の意外性に加え、登場人物が料理を食べた時に放つリアクションが、お色気要素に近い大仰なものであることが特徴。それとは逆に、圧倒的な画力で魅せる食とキャラクターはリアリティがあり、初めてのグルメ漫画としても読みやすい。
いつかティファニーで朝食を
ドラマ化もされた本書は結婚、仕事、家庭とアラサー女子達のリアルな悩みを軸に、各地のおいしい朝食名店が登場する“朝活女子”再生物語。アラサー女子が自分たちの悩みに向き合いながら、実在する店の美味しい朝食を食べ、新しい自分をスタートさせる。自分に正直に生きようとする登場人物たちに背中を押される作品。
焼きたて!!ジャぱん
パンの魅力に魅せられた少年が、プロのパン職人として理想のパン「ジャぱん」を追究する姿を描く。作中にて解説されるパン等に関わる専門用語や知識が知れるのも、本作を楽しむ要素ではあるが、それに加えてギャグ要素が織り交ぜられたパンの審査が非常に愉快で奇想天外な作品である。「太陽の手」と呼ばれるパンの発酵に適した温かい手を持つ少年、東和馬を筆頭に、癖の強いキャラクターたちも魅力的。
深夜食堂
歓楽街の路地裏にある小さな店『深夜食堂』。営業時間が夜の12時から朝の7時頃までだから、みんなが勝手にそう呼んでいる。そこのメニューは、豚汁定食、ビール、酒、焼酎、あとは食べたいものを勝手に注文すれば、作れるものならなんでも作ってくれる変わった店だった…客たちがマスターに注文するメニューには、深夜に腹を空かせて店にやってくる客たちのそれぞれの物語がある。
きのう何食べた?
几帳面な弁護士・筧史朗と、人当たりの良い美容師・矢吹賢二の2人が、お互いの価値観の違いやゲイ・カップルである事ゆえの葛藤と向き合いながら、2人で一緒にいることの意味を確かめ合って絆を深める姿を「食」を通して紡ぐ物語。毎回1話完結だが、かなりのページを史朗の調理のシーンに費やしており、それが話の本筋と密接に関わっているのが特徴。作品内に登場した料理のレシピが、アドバイスも織り込まれながら掲載されている。
山と食欲と私
登山をして山頂で食事をするエピソードを基本に、単独登山が趣味の、会社員、日々野鮎美27歳、の日常の人間関係や悩み、登山を通じて様々な登山者と出会うエピソードが描かれている。料理であったり、実在の山やアウトドアグッズが取りあげられ、登山や登山者に関する多様なテーマと絡め、多彩な切り口を用いてショートコメディ漫画として綴られている。登山描写も詳細に描かれ、人間洞察、単独行登山者の心象を写した情景描写や独特のモノローグも本作の特徴。
リトル・フォレスト
都会から生まれ、故郷のスーパーも大型店からも離れた東北の小さな集落小森に戻り、農業を営むいち子。四季折々の収穫に舌鼓を打ちながら、彼女は自分の生き方を模索する――。自然の食材を、手間暇かけて、汗をかいて調理する。そして素材本来の美味しさにたどり着く。スローフードって楽じゃない。本物のネイチャー・ライフがここにある。
ダンジョン飯
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。登場する様々なモンスターを現実に存在する調理方法によって料理しながらダンジョンを踏破していくという、アドベンチャーとグルメを混交させた作風の、グルメ・ファンタジー漫画。スライムやマンドラゴラ、バジリスクやゴーレムといった、ファンタジー作品では定番のモンスターの生態を改めて論理的に考察し、それに基づき「いかに調理すれば美味に食べられるか」を主眼に置いている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、そのことによってファンタジーでありながらリアリティー、説得力を生じさせている。
山賊ダイアリー
現役猟師、兼マンガ家。岡本健太郎(おかもと・けんたろう)による狩猟&ジビエ(野生肉)喰い実録日誌。ウサギの唐揚げ、カモのロースト、カラスの焼き鳥etc、山グルメ満載!山で迷ったときの心得などサバイバル術も満載!ハードボイルドな世界観がありつつ、普段の生活でも見ることのある生き物たちをハンティングする。画風もストーリーも一癖ある1冊。
ゴールデンカムイ
日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画。軸のストーリがしっかりありつつも、作中に登場するアイヌ料理は、グルメ漫画に引けを取らないほど丁寧に描写されているのが魅力。登場人物たちが捕らえた生き物をアイヌの言葉を用いて調理していくのも読み応えがある作品。
<
作りたい女と食べたい女
料理好きながら、一人暮らしで少食という野本さんは、職場のストレスから食べきれない料理をつい作ってしまう。そこで、思い切って同じマンションに住む春日さんという女性に声をかけて、そこで巡り合った2人の出会いを通して、野本さんが抱いている思いに気づかされる作品。料理を作りたい!という気持ちと、料理が食べたいという気持ちの、需要と供給がマッチしていて爽快感が味わえる。
<
忘却のサチコ
文芸誌の編集者・佐々木幸子は、仕事は順風満帆、俊吾との結婚も決まって完璧な人生を歩んできていた。しかし結婚式当日、突如俊吾に逃げられてしまう。クセのある作家らとの仕事で身を窶しながらも、彼を忘れることのできる「忘却の瞬間」を求めて、幸子は今日も美食を追いかける、絶品グルメ・コメディー漫画。食を通し、主人公の真面目さや一癖ある
キャラクターに魅了される。
<
花のズボラ飯
夫が単身赴任となってしまった主婦・駒沢花が、毎日のごはんを手抜きメニュー(ズボラ飯)で乗り切ろうとするグルメ漫画。かわいい絵柄とは裏腹に、旦那のいないひとり時間の空腹を、ズボラな飯でパパッと満たすという、おかしさとかわいさが絶妙にマッチしている1冊。駄洒落好きということもあり、食べる際のボキャブラリー豊かなリアクションも読みどころである。