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<弁理士とは>
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弁理士とは
まずは簡単に弁理士とはどのような職業であるのか確認していきます!
弁理士とは、特許権など知的財産法に関する専門家のことを指します。
弁理士法第1条には、
「第1条 弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。」
とあるように、知的財産権を得たい顧客の代理として特許庁に対して手続きを行います。
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弁理士としての働き方
続いて、弁理士としての働き方について確認していきます。
弁理士としての働き方は主に3つあります。
①特許事務所
弁理士としての働き方として一番多いのが特許事務所で働く方法です。
各事務所によって担当する業務内容には大きな差が見られますが、弁理士の業務として主要となる特許出願の代理業務などを行うことになります。
②企業内弁理士
弁理士としての働き方2つ目に挙げられるのがメーカーなどの企業で働く方法です。
メーカーで弁理士として働く場合は、競合他社の特許に関する情報を集めたり、新製品の特許出願の際に必要な情報の収集・手続きを担当することになります。
③独立開業
弁理士としての働き方として、独立開業という方法もあります。
ただ、いきなり独立開業するというのは難しいため特許事務所で実力をつけ、人脈を広げたうえで独立開業に挑戦するのが一般的になります。
<弁理士の将来性>
ここまで弁理士の基本的な情報について確認してきました。
続いて、将来性がないともいわれる弁理士は本当に今後なくなっていく職業なのでしょうか。本章では、詳しく解説していきます!
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将来性がないと言われる理由
弁理士の将来性についての議論は、特にAI技術の進展が大きな要因となっています。2015年にオックスフォード大学が発表した研究によると、弁理士の仕事の92.1%がAIによって代替可能であると指摘されています。この高い代替可能性の数字は、多くの弁理士の仕事がAIによって取って代わられる可能性が高いことを示唆しています。
さらに、日本国内で特許申請件数が減少している現状も、弁理士の将来性に影響を及ぼしています。経済の変化や技術革新の速度が特許申請の動向に影響を与えており、これが弁理士の需要にも反映されているのです。特許申請の減少は、弁理士にとっての業務量や収入の減少に直結する可能性があります。
しかし、AIの導入や特許申請件数の減少は、必ずしも弁理士にとって全面的に否定的な影響を与えるわけではありません。AI技術は、ルーチンワークやデータ処理の効率化を図ることで、弁理士がより専門的で戦略的な仕事に集中できる環境を提供することもできます。また、特許申請の動向は常に変化しており、新しい技術領域や国際的な市場動向に応じて、新たな需要が生まれる可能性もあります。
総じて、AIの進展や特許申請の減少は弁理士の職業に影響を与える要因ですが、これらの変化をどのように捉え、対応していくかが弁理士個々の将来性を左右することになるでしょう。
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弁理士に将来性はある!
弁理士の将来性はあるという理由
上記のような背景はありますが、弁理士の将来性はあると考えます。そう考える理由は弁理士業務におけるコミュニケーションの重要性、と国際特許件数の増加の2点にあります。
・コミュニケーションの重要性
まず1点目は、弁理士業務におけるコミュニケーションの重要性です。
弁理士としての業務は、書類の作成など人とか変わらない業務が中心になると考えられる方も多いのですが、実際は人との関わりも多い仕事になります。
そのため、そのような人との関わり合いが重視される業務がAIに代替される可能性は低く将来性がないとは言えないと考えます。
・国際特許件数の増加
2点目は、国際特許件数は増加傾向にあるという点です。
先述したとおり、国内特許件数は2005年の約43万件から2021年には約29万件と減少傾向にあります。
しかし、国際特許出願件数は2011年の約3万8000件から2020年には約5万件と増加傾向にあることがわかります。
そのため、国内のみではなく国際特許も取り扱えるようになると需要は今後も増えていくことが考えられます。
<今後弁理士として活躍するためには>
最後に、今後弁理士として活躍していくために必要となることを3つ挙げて解説していきます!
○コミュニケーションスキルを磨く
1つ目に挙げるのは、コミュニケーションスキルを磨くことです。
弁理士に将来性はあると考えますが、AIによって部分的に業務が置き換わっていくことは事実です。
AIが迅速に以前までは人が行っていた業務を行うようになる中で、求められ続ける弁理士になるためにはコミュニケーションスキルの高さが必須となります。
どのように対応したら顧客の期待を超えられるのか、常に意識しながら一つ一つの仕事を丁寧に行なっていくことがAIや他の競合との差別化につながります。
○言語スキルを磨く
続いて2つ目にあげるのは、言語スキルを磨くことです。
元々弁理士の取り扱う特許の内容は国内のものが中心でしたが、今後は増加傾向にある国際特許を取り扱っていくことが求められます。
その際に国際特許を安心して任せてもらえる存在になるためにも、充分な語学力を身につけている必要があります。
また、国際特許を取り扱う際には語学力のみではなく国際法の知識も必要になっていくため、法律の知識に関しても学んでいく姿勢が必要です。
○知財コンサルティング業務を積極的に行う
最後に3つ目として挙げるのは、知財コンサルティング業務を積極的に行うということです。
知財コンサルティングとは、発明相談や特許調査、取得した特許の活かし方の提案などを行うことです。
通常は、弁理士としての独占業務である特許出願の代理業務の前後で行うことになります。
知財コンサルティング業務を積極的に行うことで、AIでは代替できない存在価値を示すことができるほか、顧客の獲得にもつながるため特に独立開業を考えている方におすすめです。
<弁理士業務の将来性のまとめ>
ここまで、弁理士の将来性と今後求められることについて解説してきました。
結論としては、
・弁理士には将来性がある
・活躍するためには、「コミュニケーション力を磨く」「言語スキルを磨く」「知財コンサルティング業務を積極的に行う」ことが効果的
となります!
弁理士は若手の不足が問題にもなっているため、20代〜30代の方もぜひ弁理士を目指してみてはいかがでしょうか。