「建物の管理に関する資格が欲しい」

「ニーズのある資格を取得したい」

このような方におすすめなのが「建築物環境衛生管理技術者」という資格です。

本資格は、ビルなどの建築物の衛生管理に関する様々な業務を行うことができる国家資格です。

 

本記事では、建築物環境衛生管理技術者の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。

 

建築物環境衛生管理技術者試験について

建築物環境衛生管理技術者は、通称「ビル管理技術者」、「管理技術者」と呼ばれ、ビルの衛生管理に関する業務を行います。建築物の維持管理は重要な課題となっている中で、建築物環境衛生管理技術者は所有者に対して意見を述べたり指導を行ったりすることができます。

 

業務範囲は広く、試験でも建築構造や設備、室内環境、清掃、廃棄物、害虫・害獣防除など広く問われます。

 

建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するには試験に合格する方法と、厚生労働大臣登録講習を修了する方法の2通りがありますが、本記事では資格試験にフォーカスしてご紹介していきます。

 

それでは、建築物環境衛生管理技術者試験の概要に関して以下にまとめていきます。

 

受験資格 次の用途に供される建築物の当該用途部分において環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事した者

・興行場、百貨店、集会所、図書館、博物館、美術館、遊技場

・店舗、事務所

・学校

・旅館、ホテル 他

試験方式 五肢択一式
問題数 ・建築物衛生行政概論:20問

・建築物の構造概論:25問

・建築物の環境衛生45問

・空気環境の調整:15問

・給水及び排水の管理:35問

・清掃:25問

・ねずみ、昆虫等の防除:15問

試験時間 【午前】3時間

・建築物衛生行政概論

・建築物の構造概論

・建築物の環境衛生

【午後】3時間

・空気環境の調整

・給水及び排水の管理

・清掃

・ねずみ、昆虫等の防除

受験料 13,900円
合格基準 科目毎の得点が40%以上、かつ、全科目の得点が65%以上であること

 

建築物環境衛生管理技術者試験を受けるには、環境衛生上の維持管理に関する2年以上の実務経験が必要となります。

 

試験は、午前と午後に分かれていて、午前は「建築物衛生行政概論」、「建築物の構造概論」、「建築物の環境衛生」の3科目、午後は「空気環境の調整」、「給水及び排水の管理」、「清掃」、「ねずみ、昆虫等の防除」の4科目がまとめて行われます。試験問題は、五肢択一式で午前90問、午後90問出題され、試験時間は3時間ずつの計6時間です。

 

合格基準は、科目毎の得点が各科目の合格基準点(各科目の満点数の40%)以上であって、かつ、全科目の得点が全科目の合格基準点(全科目の満点数の65%)以上であることとなっています。

 

続いて、建築物環境衛生管理技術者の合格率を見てみましょう。

 

建築物環境衛生管理技術者試験の合格率

2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
合格率 17.7% 19.5% 12.3% 21.1% 13.6%

建築物環境衛生管理技術者の合格率は、15〜20%程度となっています。

ビルメン4点セットとは?

建築物環境衛生管理技術者の関連資格として、ビル管理の仕事をする際に必要となる以下4つの資格はまとめて「ビルメン4点セット」と呼ばれます。

 

・第二種電気工事士

・2級ボイラー技士

・危険物取扱者乙種4類

・第三種冷凍機械責任者

 

ビルメンテナンスには多くの専門知識が必要とされるので、これらの資格を併せて取得するのもおすすめです。

 

建築物環境衛生管理技術者試験の対策ポイント

上記項目で見たように、建築物環境衛生管理技術者試験の合格率は20%程度と低く、難易度の高い資格試験であると言えます。

 

勉強時間の目安は1,000時間と言われていて、1日3時間の勉強で1年ほどかかる計算となります。長期間に渡るので、しっかりと学習計画を立てることが重要です。

 

それでは、建築物環境衛生管理技術者試験の対策ポイントを見ていきましょう。

 

本試験の難易度が高い理由として、出題範囲が非常に広いという点が挙げられます。試験自体も7科目、計6時間で行われるため、その対策となると膨大な知識を身につけることが要求されます。

 

また、合格基準も科目ごとに設定されているので全科目で40%以上の得点が必要となります。1度合格した科目についても翌年以降の免除制度がないので、1度に全科目で合格基準に達する必要があります。7科目とも満遍なく勉強できるよう、学習計画はしっかりと立てましょう。

 

勉強方法としては、テキストを一読した後に過去問を使った問題演習という、一般的な資格試験の勉強方法となります。

 



この時にポイントとなるのが自分の実力把握を適切に行うことです。長期かつ多科目の学習となるので、2〜3ヶ月ごとに進捗を確認し、その時点での得意・不得意科目に合わせて学習計画の調整を行いましょう。

 

建築物環境衛生管理技術者試験のおすすめ参考書

それでは、建築物環境衛生管理技術者試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。

 

1.ビル管理士模範解答集

 

ビル管理士試験突破研究会 (著)
出版社 ‏ : ‎ 電気書院、出典:出版社HP

通称 赤本と言われ、建築物環境衛生管理技術者試験の多くの受験者に手にされている参考書です。解説もこれ一冊で十分な量が載っていて、問題演習だけでなく関連情報まで体系的に学べます。



 

2.全7科目354分類ビル管理技術者試験問題集

設備と管理編集部 (編集)
出版社 ‏ : ‎ オーム社、出典:出版社HP

 

通称 黒本と呼ばれる問題集です。こちらは、約10年分の過去問が科目別、単元別に並んでいるので、ご自身の得意・不得意に合わせた対策に適しています。

 

3.ラクラクわかる! ビル管理試験 集中ゼミ

松岡 浩史 (著)
出版社 ‏ : ‎ オーム社、出典:出版社HP

 

出題内容についてわかりやすくまとめられた一冊です。重要項目が「学習のポイント」としてまとめられていたり、強調して表示されていたりするので、試験前の確認用としても使いやすいです。

 

4.完全突破! ビル管理技術者受験テキスト

松浦 房次郎 (著), 田中 毅弘ほか (著)
出版社 ‏ : ‎ 森北出版、出典:出版社HP

 

過去問や類似問題の掲載はなく、試験内容の解説に集中した参考書です。内容が網羅されているので、過去問を解く際に辞書的な使い方も可能です。



 

建築物環境衛生管理技術者試験のおすすめ参考書のまとめ

ここでは、建築物環境衛生管理技術者試験のおすすめ参考書をご紹介しました。

 

建築物環境衛生管理技術者は商業施設やマンションなどの大きな建物には設置義務があり、ニーズの高い資格です。

 

是非この機会に建築物環境衛生管理技術者の受験を検討してみてはいかがでしょうか。