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「労働環境改善に取り組みたい」
「専門的な資格が欲しい」
このような方におすすめなのが「労働衛生コンサルタント」という資格です。
本資格は、企業や事業主からの依頼を受け、事業所の衛生診断および指導を行うために必要となる国家資格です。
本記事では、労働衛生コンサルタントの合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
労働衛生コンサルタント試験について
近年、労働環境や労働条件といったところが労働者・経営側の双方から注目され、対策が急務となっています。一方で、ストレスや過労、ハラスメントなどメンタル面の問題も大きく、社内だけでの解決が難しい場合もあります。そこで、専門家である労働衛生コンサルタントが適切に診断・指導を行うことが求められます。
労働衛生コンサルタントとして働くには、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が実施する同名の資格試験に合格し登録を済ませる必要があります。
それでは、労働衛生コンサルタント試験の概要に関して以下にまとめていきます。
受験資格 | ・大学または専門学校において理科系統の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上衛生の実務経験を有する者
・短期大学または高等専門学校において理科系統の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上衛生の実務経験を有する者 ・医師・歯科医師の国家試験合格者、薬剤師、保健師として10年以上の実務経験者、技術士・一級建築士試験合格者 ・衛生管理者のうち、衛生工学衛生管理者免許を受けた者で、その後3年以上の実務経験を有する者 他 |
試験方式 | 【筆記試験】
・共通科目:択一式 ・専門科目:記述式 【口述試験】 |
問題数 | 【筆記試験】
・労働衛生一般:30問 ・労働衛生関係法令:15問 ・専門科目:大問4問 |
試験時間 | 【筆記試験】
・労働衛生一般:2時間 ・労働衛生関係法令:1時間 ・専門科目:2時間 【口述試験】 15分 |
受験料 | 24,700円 |
合格基準 | 【筆記試験】
総得点のおおむね60%以上、かつ各科目40%以上 【口述試験】 4段階評価の上位2ランクであること |
試験科目 | 【筆記試験(共通)】
・労働衛生一般 ・労働衛生関係法令 【筆記試験(専門)】※1区分を選択 ・健康管理 ・労働衛生工学 |
労働衛生コンサルタント試験では、学歴や実務経験、保有資格に基づく受験資格が設けられています。受験資格はかなり細かく設定されていますし、資格によっては試験科目が免除になる場合もあるので、申込前に一度ご確認ください。
試験は筆記試験と口述試験で行われます。筆記試験は、労働衛生一般科目と労働衛生関係法令が共通科目、選択科目である健康管理、労働衛生工学のどちらか1科目を選んで受験となります。筆記試験に合格すると口述試験となり、両方に合格すると労働衛生コンサルタントの資格を取得できます。
合格基準は、筆記試験が総得点のおおむね60%以上、かつ各科目40%以上、口述試験が4段階評価の上位2ランクであることと設定されています。
続いて、労働衛生コンサルタントの合格率を見てみましょう。
労働衛生コンサルタント試験の合格率
令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 | 平成29年度 | 平成28年度 | |
筆記試験 | 25.0% | 40.0% | 27.3% | 35.0% | 32.9% |
口述試験 | 52.5% | 41.5% | 42.7% | 49.7% | 48.1% |
労働衛生コンサルタントの合格率は、筆記試験が30%程度、口述試験が50%程度となっています。最終合格率は30%程度です。
労働衛生コンサルタントと産業医とは何が違うの?
労働者の健康面をサポートするといった点で似ている職業として、産業医が挙げられますが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
まず1つ目の違いとして業務内容が挙げられます。労働衛生コンサルタントは、労働環境を全体的に把握し、問題がある箇所の診断・指導を行います。一方で、産業医は身体的・精神的にケアを必要としている社員個人に対して働きかけていくというのが主な業務となります。
また、労働衛生コンサルタントは同名の資格を保有していれば働くことができますが、産業医として働くには医師免許を持っていることが絶対条件となります。医師免許はないけど、労働者の健康面にアプローチする仕事がしたいといった方にはうってつけの資格です。
労働衛生コンサルタントの対策ポイント
上記項目で見たように労働衛生コンサルタントの30%程度と難易度の高い試験となっています。しっかりと学習計画を立てて臨みましょう。
それでは、労働衛生コンサルタント試験の対策ポイントを見ていきましょう。
労働衛生コンサルタント試験は、受験するにはある程度の実務経験が必要となりますが。その中でも3人に1人しか合格できないような資格試験です。経験を積んでいるからと言って油断は禁物です。
試験対策は、基本的に過去問を使っての問題演習が一般的です。過去問集が販売されているので、そちらを使って進めましょう。
ただし、試験内容は過去問がそのまま流用されることは少ないです。そのため、普段の業務内で得た知識の振り返りも大切にしましょう。
口述試験は、試験の受験動機や、業務に関する知識が問われます。過去に受験した方が、聞かれた内容についてウェブ上で公開していたりもするので、そちらを参考にしてみるのが良いと思います。
労働衛生コンサルタント試験のおすすめ参考書
それでは、労働衛生コンサルタント試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント試験問題集
令和3年度・2年度の2年分の過去問がまとめられています。この過去問集は毎年出版されているので、過年度のも併せて活用すると力がつけられます。
2.改訂版 わかりやすい労働衛生管理
労働衛生コンサルタントとして働く際に基盤となる労働安全衛生法についてわかりやすく解説した一冊となっています。掲載内容も豊富なので、辞書的な使い方も可能です。
3.まずはこれ!!労働衛生コンサルタント筆記試験対策問題集
題名の通り、筆記試験対策の入門書としておすすめです。テキストのほか問題も掲載されているので、分野別に学習が進められます。
4.労働衛生コンサルタント口述試験 スライドイメージで覚えるまとめ
口述試験対策ができる参考書です。「スライドをそのまま覚える」がコンセプトとなっていて、どのように勉強すればわからないといった悩みなく進められると思います。
労働衛生コンサルタント試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、労働衛生コンサルタント試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
労働者のメンタルヘルスに注目が集まっている近年では、労働衛生コンサルタントの需要が高まっていて、今後の安定性も見込める資格です。
是非この機会に労働衛生コンサルタントの受験を検討してみてはいかがでしょうか。