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「働く人を健康面からサポートしたい」
「労働環境の改善に貢献したい」
このような方におすすめなのが「衛生管理者」という資格です。
本資格は、労働安全衛生法に基づき、事業所の衛生管理や労働者の健康管理を行うことができる国家資格です。
本記事では、衛生管理者の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
衛生管理者の資格試験について
昨今、労働環境の改善といったところが注目されていますが、その中で役に立つのが「衛生管理者」という資格です。衛生管理者は、50人以上の労働者がいる事業所において選任が義務付けられており、衛生管理の専門家としての役割が求められます。
衛生管理者は業務範囲によって第一種と第二種に分けられており、第一種は全ての業種の事業所において衛生管理者として従事することができます。一方で、第二種は有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などに絞られるので、お勤めの業種にあった区分を確認の上で受験に臨みましょう。
それでは、衛生管理者の資格試験の概要に関して以下にまとめていきます。
第二種 | 第一種 | |
受験資格 | ・大学(短期大学を含む)又は高等専門学校を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
・高等学校または中等教育学校を卒業し、3年以上労働衛生の実務に従事したもの ・10年以上労働衛生の実務に従事したもの |
|
試験方式 | 五肢択一式(マークシート形式) | |
問題数 | 30問 | 54問 |
試験時間 | 3時間 | 3時間 |
受験料 | 6,800円 | |
合格基準 | 各科目正答率40%以上、かつ全科目合計正答率60%以上 | |
出題内容 | 【労働衛生】 |
有害業務に係るものを除く:10問、100点
【関連法令】
有害業務に係るものを除く:10問、100点
【労働生理】
10問、100点
【労働衛生】
・有害業務に係るもの:10問、80点
・有害業務に係るもの以外のもの:7問、70点
【関連法令】
・有害業務に係るもの:7問、70点
・有害業務に係るもの以外のもの:10問、80点
【労働生理】
10問、100点
衛生管理者の受験には、学歴と実務経験が必要となります。上記表には主な受験資格のみ記載しましたが、他にも細かく定められているので受験前には一度公式サイトを確認しておくと良いと思います。一方で、区分別の受験資格はないので、いきなり第一種からの受験でも問題ありません。
試験は、五肢択一式の問題が第一種で54問、第二種で30問出題されます。第一種では有害業務に係る問題が出題される分問題数が多くなります。試験時間はどちらも3時間で、各科目正答率40%以上、かつ全科目合計正答率60%以上を取得すると合格となります。
試験は労働衛生、関連法令、労働生理の3科目で構成されています。第一種の労働衛生、関連法令科目では、有害業務に係るものについても出題されます。
続いて、衛生管理者の合格率を見てみましょう。
2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | |
第一種 | 42.7% | 43.8% | 46.8% | 44.2% | 45.0% |
第二種 | 49.7% | 52.8% | 55.2% | 52.4% | 54.9% |
衛生管理者の合格率は、第一種で45%程度、第二種で50%程度となっています。
衛生管理者の資格試験の対策ポイント
上記項目で見たように、衛生管理者の合格率は第一種と第二種で大きな開きはなく、45〜50%程度となっています。合格率からするとそこまで難易度の高い資格試験ではなく、独学でも十分合格が可能です。
勉強時間の目安は第一種で100時間程度で、学習期間にして3ヶ月程度となります。直前にテキストを見ただけで合格できる類の試験ではないので、しっかりと計画を立てて臨みましょう。
それでは、衛生管理者の資格試験の対策ポイントを見ていきましょう。
衛生管理者の試験対策用テキストや問題集が出版されているので、テキストで知識をつけてから問題集を使って演習という、一般的な資格試験の勉強方法で取り組むのが基本方針となります。また、過去問についても過去問集が販売されていたり、ウェブ上に掲載されていたりするので模擬試験を行って試験傾向を掴みましょう。
衛生管理者試験では、化学物質の用語や特徴などが主に出題されます。また、数値などが問われることもあるので、正確に覚えるように意識して学習しておくと得点に繋がります。
また、衛生管理者試験では得点全体だけでなく、科目ごとにも合格基準が設けられているところもポイントになります。得意・不得意の差が激しいと、1科目だけ合格点に達していないということになりかねないので、全科目満遍なく得点できるようにしておきましょう。
衛生管理者のテキストを選ぶ際のポイント
衛生管理者の試験は受験者数も多いので、対策用のテキストも多数出版されています。テキストは実際に手にとって自分に合ったものを選ぶのが一番ですが、その際にチェックしておくと良いポイントをご紹介します。
・最新版であるかを確認する
衛生管理者の試験では、関連法令という科目があります。法改正があった場合、対応したテキストでないと誤答につながってしまいますので、テキストはできるだけ最近出版されたものを使うのがおすすめです。
・イラストで解説されているものを選ぶ
労働衛生科目では、化学や生物といった理系科目からの出題が多いです。人体に害のある物質や健康面といった内容が問われるので、生理学的な知識が必要となります。この際、イラストを使って解説されているテキストを選ぶと、視覚的にわかりやすくなるので理解が進みます。
・問題集は解説が充実しているものを選ぶ
問題集、過去問集も多くの種類がありますが、解説を見て選ぶと勉強しやすいかどうかがわかります。解答だけでなく、選択肢の正誤の根拠まで書かれているものを選ぶと、復習の際にテキストを照らし合わせる必要がないので便利です。また、解答が切り離せるなど細かい工夫もされていたりするので、自分の勉強スタイルに合わせて選ぶと良いと思います。
衛生管理者の資格試験のおすすめ参考書
それでは、衛生管理者の資格試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.スッキリわかる 第1種衛生管理者 テキスト&問題集 (スッキリわかるシリーズ)
イラストや表を使ってわかりやすく、すっきりと内容がまとめられたテキストです。ポイントとなるところは強調されていたり、実際にあったひっかけ問題なども書かれているので、試験対策がしやすいです。同シリーズの第二種版もあります。
2.第1種衛生管理者 一問一答 パーフェクト1500問
左ページに問題、右ページに解答と解説が書かれていて、スキマ時間の勉強にぴったりな一冊です。過去10年分の過去問を分析し、重要度が3段階で表されていて、1日50問、30日間で効率的にマスターできます。
3.第1種衛生管理者 過去7回 本試験問題集
7回分の過去問がまとめられているので、模擬試験として活用できます。解説も答えだけでなく、問題文のどの部分が誤りなのかというところまで書かれているので一冊で過去問演習が可能です。
4.改訂版 この1冊で合格! 村中一英の第1種衛生管理者 テキスト&問題集
10年以上衛生管理者の受験指導にあたっている人気講師 村中一英さんが受験のポイントとなる知識をまとめたテキストです。単元の終わりには一問一答問題が掲載されているので、知識の習得度を測ることができます。第二種版も出版されています。
5.ユーキャンの第1種・第2種衛生管理者 これだけ! 一問一答&要点まとめ【赤シートつき】 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
イラストと図表を使い、ていねいに解説されているので基礎知識がない方でもイメージしながら学習ができます。試験で出題されたひっかけポイントものっているので、間違いやすいポイントの勉強もしやすいです。
6.マンガでやさしくわかる第2種衛生管理者
試験の出題範囲についてマンガで学べるので、初学者の方でもとっつきやすいです。巻末付録として試験問題2回分も掲載されているので、これ一冊で問題演習までできます。
衛生管理者の資格試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、衛生管理者の資格試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
労働者の健康面や労働環境の改善といった点が注目されている現在、衛生管理者の需要は高まっているので、今後も活躍が期待できる資格です。
是非この機会に衛生管理者の受験を検討してみてはいかがでしょうか。