第1章
検索キーワードの需要調査
1 SEO技術の3大要素
Googleが持っていると言われる200以上のアルゴリズムは大きく分類すると:
1、企画・人気要素
2、内部要素
3、外部要素
の3つになります。
1 企画・人気要素
これはWebサイトがどのくらいのユーザーに実際に閲覧されているかサイトのトラフィック量(アクセス数)をGoogleが直接的、間接的に測定しており人気の高いWebサイトの検索順位が上がるというメカニズムです。
SEOの最終目標は、自社サイトのトラフィック量を増やして人気サイトに育て上げることです。
人気サイトを作るためには企画力を養う必要があります。良い企画が人気サイトを作る原動力になるためSEOの成功にはWebの技術だけではなく、ユーザーが求める情報を予測して提供する企画力が求められます。
企画要素には3つの側面があります:
(1)キーワード調査
検索ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを調査する方法を学び、定期的に調査をする必要があります。これは企業のマーケティング活動における市場調査と同等の重要性を持つものです。
(2)目標キーワードの設定
キーワード調査をして分かった検索ユーザーが検索するキーワードが分かったら、それを自社サイトのどのページがそのキーワードで検索した時に上位表示させるのかを決める必要があります。これを目標キーワードの設定と呼びます。
(3)サイトテーマの決定
自社サイトを効率的に上位表示させるためには自社サイトのテーマを目標キーワードに沿ったものにすることが効果的です。
例えば、洋服を販売している会社でTシャツというキーワードで上位表示を効率的に行うならば、Tシャツだけを売っているTシャツの専門店にした方が様々な種類の洋服を売っているサイトよりも上位表示しやすい傾向があるので、サイトテーマをTシャツの専門店にしたほうが有利になります。
2 内部要素
内部要素には2つの側面があります:
(1)技術要因
技術的な要因というのはタグの使い方、タグの中にどのようにキーワードを書くか、そしてWebページの中に何回、何%キーワードを書くかなどがあります。
(2)コンテンツ要因
コンテンツ要因というのはコンテンツの量と質、特にコンテンツの独自性があるかどうかという情報の品質面の要因です。
3 外部要素
外部要素には:
(1)リンク元の数と質
(2)ソーシャルメディアからの流入
(3)サイテーション
の3つがあります。
本書では、これらのうち、SEO検定3級の出題範囲である企画要素における目標キーワードの選定と内部要素における技術的要因について解説します。
2 検索キーワードの需要を調べる
企画・人気要素の1つ目の重要ポイントは検索ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを知ることです。それを知ることは人気キーワードを知ることであり、それはそのまま人気サイトを作るためのコンテンツ企画の手がかりになるからです。
2-1 コンテンツの供給状況を知る方法
インターネットのユーザーは自分が探している情報を見つけるために検索エンジンにキーワードを入力して検索をします。
その検索キーワードをテーマにしたWebページがたくさんある場合は、自社サイトのWebページが上位表示する確率は低くなります。検索エンジン内に該当するWebページがたくさんあるために競争率が高くなるからです。
反対に、該当するWebページ数が少ない場合は競争率が低くなり、自社のWebページが上位表示する確率は高まります。
例えば、「交通事故 過失割合」という検索キーワードをGoogleで検索すると該当するWebページ数は約426,000件と表示されます。
さらに、その検索キーワードに「歩行者」という言葉を追加し「交通事故 過失割合 歩行者」という検索キーワードで検索すると該当するWebページ数は減少し約86,900件と表示されます。
これは、「交通事故 過失割合」をテーマにしたWebページの数は多く、「交通事故 過失割合 歩行者」をテーマにしたWebページの数はそれに比べると少ないということです。
ということは「交通事故 過失割合」をテーマにしたWebページを作ったとしても「交通事故 過失割合」というキーワードで上位表示するのは困難な可能性が高く、該当ページ数が少ない「交通事故 過失割合 歩行者」をテーマにしたWebページを作ったほうが上位表示しやすく自社のWebページが検索ユーザーの目に触れやすくなりサイトの集客に貢献する可能性が高い事を意味します。
2-2 検索ユーザーが検索するキーワードを知る方法
しかし、いくら該当するページ数が少なく競争率が低いとしても「交通事故 過失割合 歩行者」というキーワードで検索するユーザーがほとんどいなければ上位表示をしたとしてもサイトの集客には役立ちません。
最も効率の良いのは、検索数が多いキーワードであり、該当するページ数が少ないキーワードを見つけることです。つまり需要が高くて低給が少ないものを見つけることです。
Googleは検索回数がどのくらいあるのか、そのデータを無償で公開しています。検索回数だけではなく、その検索キーワードに関連する関連キーワードは何かも公開しています。これらのデータはGoogleキーワードプランナーを使うと見ることが出来ます。
3 Googleキーワードプランナー
3-1 最も広く使われているキーワード調査ツール
検索ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを知る方法はいくつかありますが最もポピュラーな方法がGoogleキーワードプランナーを使う事です。
【Googleキーワードプランナー】
Googleキーワードプランナーは誰でもGoogleアカウントのID、パスワードを取得すれば無料で利用することが出来ます。
Googleキーワードプランナーにログインしてから画面上にある「新しいキーワードの選択と検索ボリュームの取得」の項目にある「新しいキーワードの選択と検索ボリュームの取得」をクリックし「宣伝する商品やサービス」という入力欄に調べたいキーワードを入力し画面下にある「候補を取得」というボタンをクリックします。
そうすると下図のように月間検索数の推移のグラフが表示されますこのグラフを見ることによりその検索キーワードの検索数が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか、あるいは横ばいなのかがわかります
検索キーワードの検索回数は季節的な要因がありますが、極端に検索数が減少しているキーワードよりも検索数が安定しているか、上昇基調にあるキーワードでの上位表示を狙うほうが集客により貢献することがあります。
さらにグラフのすぐ下にある「ダウンロード」というボタンをクリックするとCSV形式のファイルをダウンロード出来ます。それを表計算ソフトで開くと次のような重要情報を知ることが出来ます:
(1)関連キーワード
(2)各関連キーワードの平均月間検索数
(3)各関連キーワードの競合性(競争率)
(4)各関連キーワードのGoogleアドワーズ広告の推奨入札金額
3-2 関連キーワード
Googleでキーワードを入力して検索したユーザーが、他に検索した関連性が高いキーワードを関連キーワードと呼びます。
例えばGoogleキーワードプランナーに「交通事故 過失割合」というキーワードを入れて検索すると
交通事故 過失割合 追突
追突 過失割合
追突事故 示談金 相場
追突事故 慰謝料 計算
追突事故 示談交渉
交通事故 追突 慰謝料
自動車事故 過失割合 追突
追突事故 示談 慰謝料
追突 慰謝料
追突事故過失割合急ブレーキ
追突事故慰謝料計算方法
追突事故 割合
過失割合 追突
などの関連キーワードが表示れます。これは「交通事故 過失割合」で検索したユーザーがその時に他に検索した関連性が高いキーワードです。
Googleキーワードプランナーが表示する関連キーワードには「交通事故 過失割合」というキーワードを含むものだけではなく、そのキーワードで検索したユーザーが一定期間内に「交通事故 過失割合」というキーワードを含まなくても関連性が高いと思われるキーワードも表示されるため幅広い可能性のあるキーワードを見ることが出来ます。それにより検索ユーザーの心の中を垣間見る事が出来るのです。
3-3 各関連キーワードの平均月間検索数
それら関連キーワードの右横には平均月間検索数があります。例えば「交通事故 示談金」は毎月平均1,600回検索されており、「人身事故 示談金 相場」は70回しか検索されていません。
※月間検索数は2016年よりアドワーズのユーザーでないと見れなくなりました。アドワーズのユーザーでない場合は「1万~10万」というようなおおよその数値だけが見れます。
これは一見すると「交通事故 示談金」のほうが「人身事故 示談金 相場」よりも20倍以上検索されているので見込み客を集客する値打ちのあるキーワードのように感じるかもしれません。しかし、平均月間検索数が多いほうが少ないものよりも値打ちがあると単純に解釈するのはよくあるミスです。
何故ならそのキーワードで検索をするユーザーが全員購買意欲があるというわけではないからです。検索をするユーザーの中には論文を書くためにGoogleを使い調査をしている学生がいるかも知れませんし、社内のプレゼン資料を作ろうと情報を集めている会社員がいるかも知れないからです。
月間検索数の多さに左右されるのはなく、その検索キーワードを自社の見込み客が検索するのか、お金をつかう人が検索するキーワードかどうかは自らの経験と洞察力を磨いて判断する必要があります。
短絡的に月間検索数が多いキーワードで上位表示を目指しても、競合他社のSEO担当者もGoogleキーワードプランナーを見ることが出来るので、彼らも同じキーワードで上位表示を目指している可能性があります。しかも、競合他社が何年も前から上位表示を目指して多くのSEOを施している場合、そうやすやすと彼らの順位を抜くことは出来ません。
そうなるといつになっても上位表示が出来ないキーワードばかりを目標化することになり、SEOそのものに対して嫌気がするだけではなく、その間得られるはずの自社サイトへの訪問者数を失うことになり大きな機会損失を被ることになります。
ですので、平均月間検索数が多いキーワードばかりを狙うのではなく、中くらいのものや少ないものも目標化して全体としてバランスのとれた目標を設定することがSEO成功の重要ポイントになります。
3-4 各関連キーワードの競合性(競争率)
平均月間検索数の右横には競合性(競争率)が表示されています。競合性は1が最大値で最もGoogleアドワーズ広告の入札において競争率が高く高額な費用がかかることを意味します。
競争率の高いキーワードを避けようとする場合はこの数値が高いものは避けるようにして下さい。
3-5 各関連キーワードのGoogleアドワーズ広告の推奨入札金額
さらにその横には各関連キーワードのGoogleアドワーズ広告の推奨入札金額も表示されるので上位表示を目指す際に高額な競争率の高いキーワードを事前に避けるための手がかりになります。
4 Google検索キーワード予測
4-1 キーワード予測とは?
キーワード予測とは、検索エンジンのキーワード入力欄に何らかのキーワードを入れるとそのキーワードを核にした複合キーワードを検索エンジンが自動的に複数表示するユーザーを補助する機能です。
キーワードサジェストとも呼ばれ、ユーザーがより短時間で探している情報を見つけやすいように補助するものです。通常上の方から順番に検索数が多いものが表示されるようになっています。
ヤフージャパンはGoogleの検索データを使っていますが、ヤフージャパン上で検索されるキーワードは独自に集計しておりヤフージャパン独自のものが表示されます。また、ヤフージャパンやGoogleとは提携関係が無く、独自で検索エンジンを運営しているマイクロソフト社のBingにはBing独自のキーワード予測データが表示されます。
4-2 キーワード予測データを一括取得するソフト
検索ユーザーが検索している複合キーワードが表示されるキーワード予測データはSEO担当者にとって非常に便利なツールですが、表示されるデータをコピーすることは出来ず、またたくさんのパターンを一気に表示することはこれら検索エンジン上では出来ません。
こうした問題を解決するソフトとして多くのSEO担当者が利用するツールがキーワード予測データを一括取得するソフトです。
1 Keyword Tool
Googleのキーワード予測機能で表示されるキーワード候補を1回の操作で一度に表示させ、CSVでまとめてダウンロードできるツールです。検索数が多い最新の複合キーワード調査や、Webサイトのコンテンツ作成時のヒントになります。
2 goodkeyword
このソフトはGoogleのほかBingのデータも取得できて非常に快適に動くソフトです。しかし、グーグルサジェスト キーワード一括DLツールほどのデータ数を取得することは出来ません。物販に関するキーワードは楽天やアマゾンの検索データも取得することが出来ます。
5 その他デジタルツール
5-1 ヤフーキーワードアドバイスツール
ヤフージャパンも独自収集している検索されたキーワードをGoogleキーワードプランナーと似た形で公開しています。利用するにはヤフービジネスID(無料取得可)が必要です。
Googleキーワードプランナーに比べると検索ユーザーの属性や検索数の推移、PCユーザーとスマートフォンユーザーの内訳などがビジュアルでわかりやすく表示されるのが特徴です。
5-2 質問掲示板
ヤフー知恵袋や、教えて!goo等の質問掲示板に心当たりのキーワードで検索すると見込み客がどのような言葉遣いをしているかを調べる事が出来ます。
関連キーワードが直接表示されるわけではなく、文章から拾う必要がありますが、手間をかければたくさんの関連キーワードを発見することが出来る便利なツールです。
(1)ヤフー知恵袋
(2)教えて!goo
5-3 過去のメールによるお問合せ内容
これまでお問合せフォームやメールソフトから顧客が送信したお問合せ内容を読み返すと、そこに検索ユーザーが検索する可能性があるキーワードが見つかることがあります。メールの文章には顧客が探しているものがズバリ書かれていることがあるので定期的に読み返すと思わぬ発見が期待できます。
5-4 ポータルサイト・人気サイトのカテゴリ名称
人気ポータルサイトや大手ショッピングモールには考え抜かれたユーザー視点のキーワードがテキストリンク上に書かれていることが多いものです。
そこを観察するとユーザーが検索しそうなキーワードを発見出来ることがあります。
5-5 類義語辞典
自分が上位表示を目指しているキーワードと意味が似ている類義語を調べると思わぬキーワードが見つかることがあります。
weblio類語辞典
5-6 共起語ツール
共起語ツールを使うと入力したキーワードが書かれているWebページには他にどのようなキーワードが頻出するかをGoogleの検索結果上位50サイトから抽出した頻出キーワードを知る事ができます。これを見れば他のどのようなキーワードを狙うと良いかの参考になります。
共起語検索
5-7 検索結果ページの自然検索欄・広告欄。
Googleやヤフーで心当たりのキーワードを入れて表示される検索結果ページの広告欄、自然検索結果欄を見ると競合他社がどのようなキーワードを狙っているかがわかり、たくさんの参考になるキーワードを見つけることが出来ます。
下の図は、ヤフージャパンで「接骨院 横浜」というというキーワードで検索した検索結果ページですが、そこには「接骨院 横浜」以外にも、整骨院、スポーツ外傷、鍼灸治療、交通事故対応、労災ないどの見込み客が検索しそうなキーワードが多数見つかります。
5-8 競合サイトのソース
さらに、検索結果ページに表示されているサイトへのリンクをクリックしてリンク先のWebページのソースを見るとそこには競合他社が意識的にページ内に書き込んで上位表示を目指しているキーワードが多数見つかることがあります。
5-9 アクセス解析ログ
Googleアナリティクスを始めとするアクセス解析ログには実際に自社サイトに検索エンジンからどのようなキーワードで訪問者が検索して来訪したかが分かります。
検索ユーザーが検索エンジンで検索して自社サイトへの流入に繋がったキーワードを流入キーワードと呼びます。
Googleアナリティクスで流入キーワードを調べるには、Googleアナリティクスにログインして画面の左側に表示されるサイドメニューにある:
集客→全てのトラフィック→チャンネル
をクリックして下さい。
そして画面中央にあるOrganic Searchをクリックすると下の図のように検索エンジンから訪問したユーザーがどのようなキーワードで検索したのか(流入キーワード)が表示されます。
ただし、近年Googleは検索結果の情報をSSL化して暗号化したためにGoogleからの流入キーワードはサイト管理者用の無料ツールであるサーチコンソールに自社サイトを登録して連動しなくては表示されなくなりました。
そのため必ずサーチコンソールに自社サイトを登録して連動するためのデータ統合手続きをするようにして下さい。
5-10 サーチコンソールの検索アナリティクス
Googleアナリティクスの流入キーワードのデータにいは大きな問題がありました。
それはサーチコンソールに自社サイトを登録して連動するためのデータ統合手続をしても解決出来ないものでした。
その大きな問題というのは流入キーワードランキングの1位が「not provided」と表示されており、そこに大半の流入キーワードのアークが隠されていたという問題でした。そのためほとんどの流入キーワードは何かを誰も知ることができなかったのです。
Googleはこの問題を解決するために2015年にサーチコンソール内に新しく「検索アナリティクス」という機能を追加してこれまで秘密のベールに隠されていた「not provided」とだけ表示されていた大量のキーワードを見られるようにしました。
検索アナリティクスはサーチコンソールにログインをして左サイドメニューにある:
検索トラフィック→検索アナリティクス
を選択すると利用できます。
そのページの画面の上にある、「クリック数」と「表示回数」のチェックボックスを選択するとデータを閲覧することが出来ます。
それだけではなく、サイト内の各ページにどのようなキーワードでユーザーが訪問したか、ページ毎の流入キーワードと訪問者数まで分かるようになりました。
こうしたサーチコンソール内の検索アナリティクスを利用することにより自社サイトに検索エンジンからどのようなキーワードで流入があるかを知ることが出来ます。
流入数が多いキーワードは実際にGoogleで検索すると自社のWebページが上位表示していることがほとんどですが、後少しだけSEOをすることにより順位がさらに上がることが多いのでよりたくさんの流入が期待できます。
また、流入数が少ないキーワードは自社のWebページの順位が低いから流入が少ないことが多いので、そのページの内容を根本的に見直してSEOをすることにより順位が少しでも上がりより多くのユーザーが自社サイトを訪問することを目指すことが出来ます。
こうしたことを実現するためにも定期的にサーチコンソール内の検索アナリティクスとGoogleアナリティクスを利用することをお勧めします。
5-11 競合調査ツール
サーチコンソール内の検索アナリティクスとGoogleアナリティクスを使っても、Googleと同様にSSL化(暗号化)したヤフージャパンからの流入キーワードを知ることは出来ません。この問題は2015年8月にヤフージャパンがGoogleに追随して検索結果ページをSSL化したときから発生し多くのSEO担当者を悩ませることになりました。
この問題は解決不可能ではありません。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ログを使わずにヤフージャパンからの流入キーワードを知る方法があります。
その方法は競合調査ツールを使うものです。競合調査ツールというのは元々、競合他社のサイトにどのような流入キーワードでユーザーが訪問しているのか、そしてどのようなサイトやソーシャルメディアからユーザーが訪問しているか、そのデータを世界中の検索ユーザーのパソコンのデータをビッグデータとして収集している企業が提供するソフトのことです。
その代表的な企業がイスラエルのシミラーウェブ社が提供しているシミラーウェブ無料版と、シミラーウェブ有料版です。
無料版は上位5件、有料版は上位500件以上の競合他社のサイトや自社サイトのデータを提供しています。
データは世界の有名インターネットサービスプロバイダー(ISP)から購入したネットユーザーの行動履歴や、無数の無料ソフトをインストールしたユーザーの行動履歴などを収集、解析して作られたものでクッキー技術を使ったGoogleアナリティクス等のアクセス解析ログでは収集が出来ないデータまでかなりの精度の高さで記録することが出来るものです。
このソフトを使えば自社サイトだけではなく、競合他社のサイトにヤフージャパン、Google、Bing等の検索エンジンからどのようなキーワードでユーザーが検索して訪問に至ったのかを知ることが出来ます。
そして、競合他社のサイトがどのような検索キーワードで集客しているかを知れば、自社サイトもそうした検索キーワードで上位表示することによりこれまで以上に自社サイトのアクセスを増やすことが目指せるようになります。
【シミラーウェブ無料版の流入データの例】
【シミラーウェブ有料版の流入データの例】
6 アナログツール
デジタルツールは確かに便利ですが、手軽に使えるということは競合他社も使っていることが多く、自社の競争優位性を担保するものではありません。
より自社の競争優位性を確保するためには競合他社が使いづらいツール、あるいは知らないツールを使うことが必要です。
アナログ的なやり方は便利なデジタルツールとは違って手間がかかるものですが、それだけに競合他社が使っていないことがあります。
6-1 電話による聞き込み・顧客への問いかけ
電話予約や電話での申込みを受け付けているか、電話でのお問い合せを受け付けている場合は、顧客や見込み客との会話の最後にどのようにして自社サイトを見つけたかを聞くとともに、検索エンジンで発見してくれた場合は検索エンジンにどのような言葉で検索してくれたのかを聞いてみると10人中1人くらいの確率で検索したキーワードが教えてくれることがあります。
来店型ビジネスや顧客と直接会って商談をする業界の場合は直接開いてみるのも効果的な方法です。
そうして聞き出した検索キーワードを記録して将来上位表示を目指す目標キーワードとして目標化すればさらに多くの見込み客の集客の助けになります。
6-2 チラシ広告・カタログ
紙のチラシ広告やカタログは、集客をしようとする企業がかなりの知恵と労力をかけて作り上げたノウハウの宝庫です。そこに書かれている見出しや本文に書かれているキャッチフレーズと文章からその市場において見込み客がどのような言葉に反応するのか、探している商品を表現する言葉がたくさん見つかることがあります。
6-3 新聞・雑誌広告
新聞や雑誌広告に書かれているキャッチフレーズ、本文からも見込み客がどのような言葉に反応するのか、探している商品を表現する言葉を見つけることが可能です。チラシ広告・カタログに比べてより大きな費用がかかる新聞、雑誌広告には集客のプロたちが長年改善を繰り返してきたたくさんのキーワードが含まれていることがあります。
特にファッションや、趣味の商材の場合はたくさんの専門性の高い雑誌があり、それらの広告だけではなく、記事ページにもたくさんのヒントが見つかることがあります。自社の商材に関わる専門誌が発行されている場合は定期的に目を通すべきです。