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「総合無線通信士がどのレベルなのか知りたい」
「総合無線通信士の勉強をする上でおすすめの参考書が知りたい」
このような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、総合無線通信士の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
総合無線通信士について
総合無線通信士は、無線従事者試験の中でも最難関に位置する資格試験で、1級ともなると国際航海の船舶無線も扱えるようになるなど、国際的にも通用する資格です。
資格を習得すると、陸上、海上、航空での無線通信を行えるほか、無線設備の点検作業なども担うことができます。無線工学の知識を活かして航空機や船舶に関わりのある仕事がしたい方にもおすすめできる資格です。
それでは、総合無線通信士の試験概要に関して以下にまとめていきます。
3級 | 2級 | 1級 | |
試験方式 | 【筆記】多肢選択式
【実技】モールス電信による送受信、電話など |
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問題数 | 【筆記】
[工学の基礎] 25問
[工学] 25問
[法規] 25問
[英語 筆記] 5問
【実技】 [電信 和] 送受信 70字 [電信 欧 暗] 送受信 80字 [電信 欧 普] 送受信 100字 |
【筆記】
[工学の基礎] 25問
[工学A] 25問
[工学B] 25問
[法規] 25問
[英語 会話] 7問
[英語 筆記] 5問
[地理] 4問
【実技】 [電信 和] 送受信 75字 [電信 欧 暗] 送受信 80字 [電信 欧 普] 送受信 100字 [電話 欧文] 送受話 50字 |
【筆記】
[工学の基礎] 25問
[工学A] 25問
[工学B] 25問
[法規] 25問
[英語 会話] 7問
[英語 筆記] 5問
[地理] 4問
【実技】 [電信 和] 送受信 75字 [電信 欧 暗] 送受信 80字 [電信 欧 普] 送受信 100字 [電話 欧文] 送受話 50字 [印刷電信・欧文普] 送信 50字 |
試験時間 | 【筆記】
[工学の基礎] 150分
[工学] 150分
[法規] 90分
[英語 筆記] 90分
【実技】 [電信 和] 約3分 [電信 欧 暗] 約3分 [電信 欧 普] 約3分 |
【筆記】
[工学の基礎] 150分
[工学A] 150分
[工学B] 150分
[法規] 150分
[英語 会話] 30分以内
[英語 筆記] 90分
[地理] 60分
【実技】 [電信 和] 約5分 [電信 欧 暗] 約5分 [電信 欧 普] 約5分 [電話 欧文] 約2分 |
【筆記】
[工学の基礎] 150分
[工学A] 150分
[工学B] 150分
[法規] 150分
[英語 会話] 30分以内
[英語 筆記] 90分
[地理] 60分
【実技】 [電信 和] 約5分 [電信 欧 暗] 約5分 [電信 欧 普] 約5分 [電話 欧文] 約2分 [印刷電信・欧文普] 約5分 |
受験料 | 13,600円 | 18,800円 | 21,200円 |
合格基準 | 【筆記】
[工学の基礎] 75点/125点以上
[工学] 75点/125点以上
[法規] 60点/100点以上
[英語 筆記] 40点/70点以上
【実技】各100点満点 [電信 和] [電信 欧 暗] [電信 欧 普]各科目30点以上かつ、計210点以上 |
【筆記】
[工学の基礎] 75点/125点以上
[工学A] 75点/125点以上
[工学B] 75点/125点以上
[法規] 75点/125点以上
[英語] 60点/105点以上
[地理] 120点/200点以上
【実技】 [電信 和] [電信 欧 暗] [電信 欧 普]送信・受信それぞれ各科目30点以上かつ、計210点以上 [電話 欧文]送信・受信それぞれ80点/100点以上 |
【筆記】
[工学の基礎] 75点/125点以上
[工学A] 75点/125点以上
[工学B] 75点/125点以上
[法規] 75点/125点以上
[英語] 60点/105点以上
[地理] 120点/200点以上
【実技】 [電信 和] [電信 欧 暗] [電信 欧 普]送信・受信それぞれ各科目30点以上かつ、計210点以上 [電話 欧文]送信・受信それぞれ80点/100点以上 [印刷電信・欧文普] 200字以上送信した場合 |
総合無線通信士の試験は、1〜3級に分かれて実施されています。3級でも漁船など国内を運航する船舶での無線操作が可能ですが、1級になると国際船舶や航空機の無線を扱えるようになります。
全ての級を通して受験資格は設けられていないため、どなたでも受験することができます。
試験は、多肢選択式で行われる筆記試験と、実際に無線による送受信を行う実技試験の2方式で行われています。
総合無線通信士の試験は科目数の多さが特徴であり、1級では筆記だけでも7科目もあります。そのため、試験も3日間に分けて行われます。
合格基準は、各科目6割程度になるように設定されていて、それぞれの科目で基準点を超える必要があるため、苦手科目を克服しておかなければなりません。
続いて、総合無線通信士の合格率を見てみましょう。
【合格率】
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | |
3級 | 1.0% | 0.4% | 2.2% | 3.1% | 4.3% |
2級 | 3.9% | 4.3% | 0.8% | 2.6% | 2.9% |
1級 | 5.7% | 5.6% | 3.2% | 5.4% | 6.5% |
合格率からもわかるように、総合無線通信士は難関資格です。受験者数200人ほどに対して合格者が1人という年もあります。十分な対策が必要です。
総合無線通信士の対策ポイント
総合無線通信士は非常に取得難易度の高い資格です。ただし、相対評価ではなく絶対評価で合否が決まるため、勉強すればするだけ確実に合格に近づきます。
総合無線通信士に合格するために必要な勉強時間の目安は、300時間程度と言われており、期間にして半年ぐらいです。試験は年2回しか行われていないので、余裕を持った学習期間の設定をおすすめします。
それでは、総合無線通信士の対策ポイントについて見ていきましょう。
総合無線通信士の試験では、科目数が多く、各科目に基準点が設けられているため、バランスよく勉強することが大切です。
特に、2級以上では「工学の基礎」、「工学A」、「工学B」と無線工学に関する科目だけで3科目もあり、実際に無線を使用する際にも直結する知識となるため、出題範囲や難易度が高くなりがちです。一般的に筆記科目の中で1番時間がかかるのがこの範囲だと思います。
また、「法規」は完全に暗記科目なので、覚えていないと解くことができません。問題演習を重ねて、正確に記憶できていることを確認しましょう。
また、実技試験への対策も必要です。モールス信号による電波の送受信は非常に速いスピードで行われるため、モールス信号を記憶しているだけではまず対応できません。実践に不安がある場合には、アマチュア無線を使って実際に送受信を行いながら学んでいくのもおすすめです。
総合無線通信士は、確かに取得難易度の高い資格ですが、一方で過去問からも多く出題される傾向があるので対策を立てやすいという特徴ももちます。合格基準も60%程度に設定されているので、過去問がしっかりと解けるレベルになれば合格できる確率が高いです。
また、段階を踏みながら挑戦したいという方は、先に第一級陸上無線技術士の資格を先に取得するのもおすすめです。この資格を取得している場合、「工学の基礎」、「工学A」、「工学B」の3科目の免除を受けることができるので他科目に専念しやすくなります。
総合無線通信士のおすすめ参考書
それでは、総合無線通信士の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.総合無線通信士Ⅰ 法規・英語・地理編 無線従事者国家試験問題解答集
2冊で筆記試験の範囲がカバーできるテキストの、法規・英語・地理編です。総合無線通信士は受験者数も少ないため、テキストもあまり刊行されていませんが、こちらのシリーズなら2冊で筆記試験の範囲をまとめて学ぶことができます。定期的に新版が発行され、最新問題への対応も可能なところもおすすめなポイントです。
2.総合無線通信士Ⅱ 無線工学編 (無線従事者国家試験問題解答集)
上記のシリーズの無線工学編のテキストです。問題や解説だけでなく最新問題の統計をとって出題状況の傾向を一覧にした表も掲載されているので、出題されやすい問題から対策するなど、学習計画を立てる際の参考にすることもできます。
3.モールス通信練習用CD(2枚組) 一・二・三総通用
総合無線通信士の試験では電信の実技試験が行われますが、どのように対策を立てれば良いかわからないといった方におすすめの教材です。最初はスピードについていけないかもしれませんが、CDを繰り返し聞くことで対応できるようになります。
4.入門 無線工学A 無線機器および測定
無線工学Aの中でも無線機器と測定の分野に特化した参考書です。図や表などが多く使われているので、内容がまとまったテキストでは理解しにくいといった方におすすめの一冊です。
総合無線通信士のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、総合無線通信士のおすすめ参考書をご紹介しました。
総合無線通信士は、無線従事者資格の中でも最高峰の非常に難易度の高い資格試験です。しかし、その分資格保有者の数は少ないため、取得後は就職・転職などで使うことができます。
是非この機会に総合無線通信士の受験を検討してみてはいかがでしょうか。