「測量士として活躍したい」
「土木、建築関連の資格が欲しい」
このようにお考えの方におすすめなのが測量士・測量士補の資格です。
測量士の資格を取得するためには、国家試験に合格する方法と、学歴と実務経験を積む方法の2通りがありますが、ここでは国家試験の方にフォーカスしています。
本記事では、測量士・測量士補の試験の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
測量士・測量士補試験について
測量士は、建物や道路を建設する際に、土地の計測を行うのが主な業務です。測量業者には各営業所に有資格者1人以上の配置が義務付けられている、業務独占資格です。
測量士と測量士補の違いとしては、測量士は測量計画の策定が可能である一方、測量士補は計画に則って測量を行うといった業務内容の違いがあります。
測量士と測量士補の資格を取得するためには、国家試験に合格する方法のほか、指定の大学・専門学校を修了後、測量に関する実務経験を積むことでも取得が可能です。
それでは、測量士・測量士補の試験概要に関して以下にまとめていきます。
測量士 | 測量士補 | |
試験方式 | [午前]択一式 [午後]記述式 | 択一式 |
問題数 | [午前]28問 [午後]20問 | 28問 |
試験時間 | [午前]150分 [午後]150分 | 150分 |
受験料 | 4,250円 | 2,850円 |
合格基準 | 午前が400点以上かつ、
合計が910点以上 |
450点以上 |
試験内容 | ・測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
・多角測量 ・汎地球測位システム測量 ・水準測量 ・地球測量 ・写真測量 ・地図編集 ・応用測量 ・地理情報システム |
・測量に関する法規
・多角測量 ・汎地球測位システム測量 ・水準測量 ・地球測量 ・写真測量 ・地図編集 ・応用測量 |
測量士補試験では択一式の選択問題のみの出題となっていますが、測量士試験ではこれに加えて記述式試験も行われます。
記述式試験では、必須問題1題と選択問題4題(基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量)が出題されます。選択問題はうち2題を選んで解答すれば良いので、自分の得意分野を事前に見つけておくと良いでしょう。
試験内容としては、測量士と測量士補で大部分は重複していますが、国際条約や地理情報システムは測量士試験のみで試験範囲に含まれています。
続いて、測量士・測量士補試験の合格率を見てみましょう。
【合格率】
2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | |
測量士 | 18.0% | 7.7% | 14.8% | 8.3% | 11.7% |
測量士補 | 34.8% | 30.3% | 35.8% | 33.6% | 47.3% |
合格率は、測量士で10〜20%程度、測量士補で30〜40%程度となっています。
測量士・測量士補試験の対策ポイント
上の項目で見たように、測量士試験は合格率10〜20%程度と難関資格です。独学でも合格は可能とされていますが、十分な学習期間を確保して臨むことをおすすめします。
勉強期間の目安としては、初学者の場合300〜500時間程度を想定しておくと良いでしょう。学習期間としては半年〜1年程度が目安となります。
問題を解く上では高校レベルの数学が求められる場合もあるため、理系科目に苦手意識のある方は特に注意して学習計画を立てると良いでしょう。
一方で、実務経験がある方や、既に測量士補資格を取得している方は短期間の勉強で合格できる可能性もあります。この場合、測量士補にはない記述式試験の対策はしっかりとしておきましょう。
対策ポイントとしては、テキストと過去問をうまく使うことが大切になります。
特に測量士では試験内容が広く、テキストを読んでいるだけでは身に付きにくいという声が多くあります。問題集を使って実践的な演習をしながら、わかりにくいところをテキストで補足するなど、自分に合った勉強方法を確立しましょう。
測量士・測量士補試験のおすすめ参考書
測量士・測量士補国家試験受験テキスト
測量士・測量士補の試験対策テキストです。白黒で解説されていますが、その代わり表や図を用い、わかりやすく解説されていますので、インプット学習に最適な1冊になっています。そして確認問題も記載されているため、アウトプット学習もすることができます。独学で試験対策したい方にぴったりの1冊です。
測量士補 計算問題の解法・解説
測量士補試験に出される計算問題に着目して、解法・解説されている参考書です。計算問題に特化しているため、計算問題に自信がない方におすすめできる1冊です。ただし、上級者向けの解説もあるため、文系であまり数学に触れていない方や数学が苦手だと感じる方は、他書で数学の基礎知識を身につけてから、この本に取り掛かると理解しやすいと思います。
測量士補 徹底図解テキスト&問題集
測量士補試験対策に特化したテキスト&問題集です。2色刷りでかつ、図や写真、表を用いて解説されているので、見やすく、効率的に学習しやすい1冊となっております。また問題と解説の量が多いため、じっくり試験対策したい方にもおすすめできます。さらに章末問題、最終の精算問題集も記載されていますので、アウトプット学習にも効果的です。
鉄則!測量士補合格ノート
東京法経学院による測量士補の参考書です。こちらは、「東京法経学院」の通学/通信講座のテキストとして使われています。そのため教科書になっており、「東京法経学院」による講義を受けて試験対策するのに最適な1冊になっております。ですので、独学で学習するよりも、「東京法経学院」の受講を受けながら学習することをおすすめします。
改訂版 1冊合格! 測量士補試験
アガルートアカデミーの中山祐介講師による測量士補試験の参考書です。こちらはコンパクトに要点良くまとめられているので、効率よく試験対策したい方におすすめできる1冊です。しかし、説明もコンパクトにまとめられているため、数学が苦手な方には他書で数学の知識を身につけてから、この本に取り掛かると効率的に学習できると
測量士補試験問題集
測量士補の試験問題集です。過去10年間の過去問が記載されています。問題量が豊富なので、応用の幅を広げることができます。測量士補に関する知識を他本で身につけてから、こちらの本を使って学習することをおすすめします。これまで勉強してきた分をアウトプットしたい方、問題形式に慣れたい方にぴったりの一冊です。
鉄則!測量士補過去問アタック
東京法経学院編集部による測量士補の過去問題集です。過去10年間の過去問が分野ごと、項目ごとに分類され、東京法経学院の通学/通信講座で使用されています。インプット学習を目的として作成されていないので、実力試し、アウトプット学習、試験形式に慣れることに使うのをおすすめします。
測量士補 問題解説集
測量士補問題解説集です。5年以内の過去問が記載されているので、最新の問題傾向がわかります。インプット学習よりかは、アウトプット学習を目的として作成されているため、ある程度測量士補に関する知識を身につけてから、この本で取り組むことをおすすめします。
測量士補 過去問280
日建学院による測量士補の過去問題集です。過去10年間の過去問を分野ごと、項目ごとに分けた構成になっています。各問題ごとに、出題年度と重要度、5つのチェック欄が記されているので、いつの問題が、どのくらいの頻度の問題か、どこがわからないのかを可視化することが可能です。ただし、アウトプット学習を目的としている本であるため、知識を身につけてから取り組むことをおすすめします。
よくわかる測量【マンガと図解で身につく】
測量に関して漫画と図解で説明されている参考書です。測量入門として書かれており、全く測量について知らない方でも楽しく取り組むことができる1冊です。ただし、測量士/測量士補の試験対策に対応していないので、測量のことを知る導入として使うことをおすすめします。
建築土木教科書 測量士補 合格ガイド
建築土木教科書 測量士補 合格ガイドです。測量知識初心者でもわかりやすく説明されているので、独学で学びたい方にぴったりの1冊です。ただし、測量知識はなくても理系知識がある方向けに作られているので、他の本で数学知識を身につけてから取り組むことをおすすめします。
いちばんわかりやすい!測量士補 テキスト&問題集+予想模試
測量士補のテキスト&問題集+予想模試の参考書です。最初に試験で必要な計算方法がまとめられ、各問題に重要ポイント、勉強方法が記載されているので、測量初心者でも取り掛かりやすい1冊です。また、内容も網羅しているのでインプット学習として最適です。数学知識に自信がないけれど、測量に関して勉強したい方におすすめです。
やさしく学ぶ 測量士補試験 合格テキスト
測量士補試験の受験対策書です。「ポイントを絞った丁寧な説明」をコンセプトとし、2色刷りで解説されているため、初心者でも理解しやすいものとなっております。数学が苦手な方でも、「計算の基礎知識」の章にて、試験で必要な計算がまとめられてあるので、取り掛かりやすくなっています。また問題がある章でも、式の立て方や計算方法も解説されています。そして、出題傾向と重要な部分が記載されているため、効率的に勉強することができます。数学苦手だけど、効率的に試験対策したい方にぴったりの参考書です。
測量士・測量士補試験のおすすめ参考書のまとめ
いかがでしたでしょうか。ここでは、測量士・測量士補試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
測量士や測量士補試験は比較的取得難易度の高い資格です。しかし、測量は建物や道路の建設前には必ず行われるため、一度取得すれば安定な資格であると言えます。
この機会にぜひ測量士や測量士補試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。