色彩検定と似ている資格にカラーコーディネーター検定試験というものがあります。
どちらも色に関する資格ですが、どのように違うのかよくわからないという人も多いと思います。
そこで、本記事では色彩検定とカラーコーディネーター検定試験の違いについて紹介します。
色彩検定について
色彩検定では、「感覚」や「センス」で語られることの多い「色」を理論的・体系的に学び、理論的な色彩の実践活用能力を身につけることができます。一般の人からプロまで幅広い受験者層がいる文部科学省後援の資格です。
1級、2級、3級とUC(色のユニバーサルデザイン)級の4つのレベルに分けられています。UC級は2018年の冬期より新設されました。どの級でも実務経験は必要なく、テキストの内容の理解で合格できる試験です。
合格率は1級が50%以下、それ以外が60〜80%です。試験は公式テキストに準拠した内容で出題されるもので、センスやアイデアを評価する問題は出題されません。しっかりと勉強をしていれば合格できる試験です。
カラーコーディネーターの概要
カラーコーディネーター検定試験は、色彩のスペシャリストとしてビジネスに色を使用するアパレルやインテリア、広告、店舗運営などで幅広く活用できる資格です。インテリアコーディネーターやWebデザイナー検定取得者も多く受験しています。
アドバンスクラスとスタンダードクラスの2つがあります。これは2020年度からの新しい区分で、以前までは1級、2級、3級に分かれていました。IBT方式なので、試験期間内ならいつでもどこでも受験することができます。
合格率はアドバンスが約50%、スタンダードが約70%です。また、級で分けられていた頃の合格率は、1級と2級が約30%、3級が約60%です。どのレベルの試験でも、公式テキストの理解とその応用力を求められています。
色彩検定とカラーコーディネーター
試験内容の違い
色彩検定:色彩に関する幅広い知識
カラーコーディネーター検定試験:色彩に関する知識とビジネスでの活用について
色彩検定が幅広い分野の知識を必要としているのに対して、カラーコーディネーター検定試験はより専門的な知識を求められます。
では、色彩検定2級とカラーコーディネーター検定試験スタンダードクラスの試験範囲を比較してみましょう。
色彩検定
2級 |
カラーコーディネーター検定試験
スタンダードクラス |
・色野ユニバーサルデザイン
・光と色 ・色の表示 ・色彩心理 ・配色イメージ ・ビジュアル ・ファッション ・インテリア ・景観色彩 ・慣用色名 |
・カラーコーディネーターの実務
・色の見えの多様性とユニバーサルデザイン ・色をつくり、形をつくる 色材、混色から画像へ ・色彩と照明計画 ・表色系と測色方法および色彩管理の手法 ・安全色彩 ・製品の色彩調査手法ー色彩分析と心理評価 ・さまざまな配色用語と実際 ・ファッションカラーと色彩計画の諸条件 ・メイクアップ製品の色彩設計・管理とカラーコーディネーション ・インテリア製品の色彩の特徴とカラーコーディネーション ・プロダクツの色彩的特徴 ・環境色彩 ・効果的なプレゼンテーションを生み出すカラーコーディネーション技術 ・近現代のデザインとカラーの歴史 ・ファッションカラーの変遷と時代背景 |
比較してみてもわかるように、カラーコーディネーター検定試験の方が実務に活かせるような色彩の知識を多く求めています。
一方で、色彩検定は様々な知識を満遍なく網羅することを求めています。
難易度の違い
色彩検定よりカラーコーディネーター検定試験の方が専門性や応用力が必要になるのでやや難しいですが、合格率はどちらもあまり変わりません。
色彩検定 合格率(2020年度)
志願者 | 合格率 | |
1級 | 1,426人 | 45.0% |
2級 | 9,466人 | 77.6% |
3級 | 22,498人 | 76.3% |
UC級 | 2,226人 | 87.3% |
カラーコーディネーター検定試験 合格率(2020年度)
実受験者 | 合格率 | |
アドバンス | 1,115人 | 50.3% |
スタンダード | 4,210人 | 72.3% |
色彩検定とカラーコーディネータ検定試験の違いのまとめ
本記事では、色彩検定とカラーコーディネーター検定試験の違いを紹介しました。
どちらもそれぞれ特徴があるので、自分の目的に合った方を選んで受験をしてください!