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作業療法士とは、日常生活や社会生活に復帰できるように日常生活で使う動作を中心にリハビリを行い患者さんが自分らしく生き生きとした生活を送ることができるようにサポートします。つまり、座る・立つ・歩くなどの基本的動作をベースにして食事・排泄・洗濯・料理など日常の生活行為のリハビリを行います。
このことから作業療法士とはさまざまな作業を通して心と体を支えていく職業と言えますね。では作業療法士として働く人はどのようなやりがいを感じているのでしょうか。さっそくご紹介していきたいと思います。
作業療法士のやりがいは?
作業療法士は患者さんの機能回復のサポートに深く関わります。
そのためやりがいを感じる瞬間として次のようなものが挙げられます。
・患者さんの機能回復がみられたとき
・患者さんに頼りにされたとき
それぞれについて詳しくみていきましょう。
患者さんの機能回復がみられたとき
作業療法士は洗濯、料理、手芸などの作業を通して、患者さんの身体機能の維持・回復をサポートし、生活の質の向上を支援します。この訓練プログラムには患者さんが得意だったことや好きだったことや自分のプライベートな経験や趣味を取り入れることもあります。
思いがけないことで患者さんの人生が豊かになったりすることもあります。また訓練プログラムに沿って患者さんがリハビリテーションに取り組み、身体機能を回復・改善していくその変化は作業療法士にとってやりがいを感じる瞬間でもあります。そのことで患者さんの笑顔が増えていくときもやりがいを感じられるでしょう。
患者さんに頼りにされた時
患者さんの中には病気やケガによって今まで普通にできていたことができなくなる人もいます。そのため落ち込んでしまい、すぐには心を開いてくれない患者さんも多いです。
しかしそのような患者さんに対しても一緒に作業療法に取り組み作業療法士としての熱意が伝わった時信頼関係が生まれるでしょう。患者さんも徐々に心を開いてくれることも多く頼りにされた時やりがいを感じられます。
ではやりがいを感じる瞬間についてわかったと思いますが苦労する面としてはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
作業療法士としての苦労
作業療法士として苦労を感じるときとして次のようなことが挙げられます。
・患者さんとのコミュニケーションが必要
・なかなかリハビリの成果が出ない
・勉強し続けなければいけない
・体力が必要
それぞれについて詳しく説明していきたいと思います。
患者さんとのコミュニケーションが必要
作業療法士は患者さんとコミュニケーションをとること必須です。患者さんとコミュニケーションを取ることでより早く信頼関係を築くことができリハビリの効果が高まることもあります。患者さんによってはコミュニケーションが取りにくい方もいます。そのため大変だなと感じることも多いですが、根気強くコミュニケーションを取り続けることで信頼関係を築くことにつながります。
なかなかリハビリの成果が出ない
担当する患者さんの中にはリハビリの結果がすぐ出ないこともあります。そのことによって患者さんが精神的に弱ってしまったり落ち込んでしまうことも多いです。患者さんを励ましながら達成できそうな目標を立てることは大変ではありますがとても大切です。患者さんとコミュニケーションをとり、小さな変化もしっかりと観察する力を磨き続けることが必要になってきます。
勉強し続けなければいけない
作業療法士は医療従事者であり患者さんと密接に関わります。医学は常に進化しているため、常に新しい技術や知識を学んでいかなくてはなりません。そのため国家試験で出題されるような基本的な知識だけではなく経験や新たな知識を習得し続けなければいけません。苦労する反面、身につけた知識や経験が役立った際は大きな達成感を感じられるでしょう。
体力が必要
介助やリハビリテーションをする際、患者さんの体格によっては体力を使います。患者さんの病室や自宅に行きリハビリをする事やレクリエーションなどの準備から後片付けなどもあり1日中動き回っていることも多いようです。そのためしっかりと体力をつけることが必要で初めのうちは苦労するかもしれません。
作業療法士のやりがいまとめ
これまでの議論を通じて、作業療法士としての職務には確かに多大なやりがいが伴う一方で、それには相応の苦労や挑戦が存在することも明らかになりました。患者さん一人ひとりの状況は異なり、その日々の進歩や挑戦は予測不可能です。しかし、それらの不確実性の中に、作業療法士の真の魅力が隠されています。患者さんが直面する障害や困難を理解し、その人特有のニーズに対応するための個別の治療計画を立案する過程は、高度な専門知識だけでなく、深い思いやりと献身が必要とされます。
患者さんとの関わり合いの中で、作業療法士は時に心身ともに疲れを感じることでしょう。リハビリテーションのプロセスは長期にわたることが多く、進展が見られない時期や、患者さん自身が困難に打ちひしがれる瞬間もあります。しかし、そうした挑戦を乗り越え、最終的に患者さんが自立した生活を取り戻す、あるいは新たな生活スタイルを受け入れる手助けができたとき、それが作業療法士にとっての最大のやりがいとなります。
また、作業療法士は常に学び続ける姿勢を持っていなければなりません。新しい治療法の開発、技術の進歩、研究成果の公表など、この分野は絶えず進化しています。そのため、最新の知識を追い続け、患者さんに最適な治療を提供し続けることが求められます。この絶え間ない学びと成長のプロセスは、自身の専門性を高め、より広い視野を持つことを可能にします。
作業療法士を目指す方々へのメッセージとしては、この職種が要求する情熱と献身、そして専門性を理解し、患者さんの立場に立ったサポートを忘れないでほしいと強く願います。患者さんの小さな進歩を喜び、挫折を共有し、一緒に解決策を見つけることの大切さを心に留めてください。それが作業療法士の真髄であり、その職務の核心に関わる深い人間理解と共感能力が、真のやりがいに繋がるのです。