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準1級の概要
- 内容:高校生・大学生・社会人レベル かなり専門的
実技問題
・速書き
・漢字8字を書く(楷行草三体)
・縦書き
・横書き
・自由作品(和歌、漢詩などより一つ選択)
・掲示文(縦書き)
理論問題
・旧字体と書写体を常用漢字に直す(各5字)
・草書5字と古筆を読む
・書道用語・書道史(正誤式)
・書道史(作者と作品合わせ)
・漢字の字体
硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて―文部省認定
公式が出している問題例と合格答案例
https://www.nihon-shosha.or.jp/pdf/example/mondai/kohitsuj1/q_kj1.pdf
https://www.nihon-shosha.or.jp/pdf/example/touan/kohitsuj1/a_kj1.pdf
- 受験料:5,000円
- 配点と合格基準
実技 515点以上/600点満点中(86%)
理論 305点以上/400点満点中(76%)
各科目の内容と勉強法
様々な種類の問題が出題されますが、どの問題にも共通して「速く丁寧に」書く練習をすることが合格への一番の近道です。準1級ともなると合格基準点はかなり高くなってくるため、これまで以上にこの意識を強く持つ必要があります。
また、準1級から理論問題がマークシート形式でなくなるので、これまでよりも難易度が大きく上がります。したがって、十分な対策が必要になるでしょう。
実技問題第1問:速書き
この問題は、とにかく書き終えることです。4分で135字程度の文章を書くことになり、書き終わらないと最低点になります。字の形をできる限り丁寧に書く意識は持ちながら、時間内に書き終えられるように練習しておきましょう。また、速書きは受験者全員で一斉に行われる試験です。最初に1分間の黙読があり、次に4分間で筆記をします。それが終わったら解答の回収と確認が行われ、受験者は85分間で残りの問題を解くことになります。
実技問題第2問:漢字8字を書く(楷行草三体)
準1級から草書の書き取りが出題されるようになります。普段は書かない字体であるので、演習を積んでおく必要があります。『大人が学ぶ小学校の漢字』は楷書・行書・草書の3種類の書取り練習ができるようになっているので、是非取り組んでおくと良いでしょう。また、出題される漢字には難しいものもあるので、時間がある方は同書の中学校編も取り組んでおくと安心です。
実技問題第5問:自由作品(和歌、漢詩などより一つ選択)
和歌や詩歌、漢文が掲載されており、それを見て書き写す問題です。書体や書きぶりなどは「自分の得意な形で書きなさい」と指示されます。これだけでは、文の種類が変わっただけで、むしろ書体等の縛りがない分、取り組みやすいと言えるでしょう。
しかし、問題は回答欄にあります。その回答欄とは、「余白」です。余白に書かなければならないということは、第3問のように線が引かれているわけではありません。さらに「自由にわくの大きさや縦横の割合などを考え、絵筆で外わくを囲った体裁のよい形に仕上げなさい」とあるため、掲示文のような要素も兼ね備えています。
もちろんレイアウトを含めた演習を積むことは必要ですが、その中で、自分が得意な文の種類は何なのかを明確にしておくことが大切です。他にも難しい問題はありますし、この問題だけに演習時間を費やすことも非効率的です。したがって、得意分野に焦点を絞って演習に取り組むと良いでしょう。
実技問題第6問:掲示文(縦書き)
準1級からは、掲示文は縦書きで出題されます。使用するマーカー等は変わっていませんが、レイアウトに関しては縦書き用に再考しなければなりません。ですが、縦書きになっても、横書きの時と同様に、用紙全体と分量、字の大きさとのバランスを考慮して鉛筆でレイアウトする練習をすれば、それほど問題ではないでしょう。
理論問題第1問:旧字体と書写体を常用漢字に直す(各5字)
この問題は2級から出題されていますが、準1級からは書き取りになったため、選択肢がなくなりました。したがって、当てずっぽうで得点することができなくなったため、旧字体や書写体を覚えてしまうほかありません。『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』には、参考資料として旧字体や書写体が掲載されているので、それを参考に覚えてしまいましょう。『毛筆書写技能検定の手引きと問題集(今は出版されていない?)』には、「旧字体121字、書写体201字を覚えてしまえば満点を目指すことができる」とあるので、資料を参考に自分でまとめてしまえば、全て覚えるのは難しくないでしょう。社会人の方は特に時間がないとは思いますが、この大問は得点源ですので、十分対策しておくと良いでしょう。
理論問題第2問:草書5字と古筆を読む
草書で書かれた漢字5字と古筆(草書の平仮名)を漢字で書き直す問題です。先ほどもあげた『大人が学ぶ小学校の漢字』で対策をすれば、ある程度は得点できるでしょう。また、『正しく美しい字が書ける 楷・行・草 筆順字典』という書籍もあり、常用漢字2000字以上に加え、平仮名とカタカナの楷書・行書・草書の筆順と美しく書くためのコツが詳細されています。これらを用いて対策をすれば、特に古筆に関しては満点も狙えるでしょう。
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理論問題第3問A:書道用語・書道史(正誤式)
この問題は書道史に関する問いが出題されます。対象範囲が広いながらも問題数は5問と限られるので、捨てても良いでしょう。捨てるとしても、正誤式である上に他の大問を対策していれば解ける問題も出されるので、対策なしでも2,3問は正答できるかもしれません。他の大問の対策を十分にした上で、余裕があるようでしたら満点を狙っても良いでしょう。
理論問題第3問B:書道史(作者と作品合わせ)
有名な書籍の名前と作者名を対応させる問題です。この問題は前の問題Aとは打って変わって得点源といっていいでしょう。なぜなら、対象範囲が狭く浅いにもかかわらず、消去法で解答できる問題形式だからです。先ほどあげた『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』に載っているものを全て覚えれば問題ありません。
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・『硬筆毛筆書写検定理論問題のすべて』
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