コンテンツ
通関士は、貿易事務の専門家的な資格です。通関士になるためには、通関士試験に合格しなければなりません。しかし、通関士試験は合格率が10%台となることが多く、難易度が比較的高い試験です。
そこで、通関士試験は独学が可能か、勉強時間・期間の目安はどのくらいかなどを紹介します。
通関士とは
通関士とは、貨物の輸出入の際に必要な税関を通す手続きである通関業務に従事する職種です。通関士になるには、通関士試験に合格した後、勤務先の通関業者が財務大臣に申請し、確認を受ける必要があります。国家資格であり、法律系に分類されますが、国家資格の中では唯一の貿易関係の資格でもあります。
通関書類や通関書類への記名・押印が主な業務で、細かい確認作業を行うことが多い仕事です。通関業務は経験が重要となることが多く、実務では、法律や貨物で取り扱うものに関する詳しい情報や専門的知識が求められます。
通関士試験は独学で合格できるか
結論から言うと、通関士試験は独学で合格可能です。
ただし、試験に関する情報が他の試験よりも入手しにくいため、独学にやや手間がかかります。法律の用語が全く理解できない、テキストだけでは理解しにくい、と感じた場合は、通信講座の活用も視野に入れても良いでしょう。
試験の体感的な難易度は、法律に関する知識の有無や実務経験の有無で変わってきます。実務経験がない場合は、一からスタートするようなものであるため、長い勉強時間が必要となります。
独学の際の注意点
通関士試験の対策は独学も可能ですが、注意点もいくつかあります。
・メジャーな資格と比べると参考になる情報が少なく、情報収集に苦労しやすい
・法改正の情報が入手しにくい
・モチベーションの維持が難しい
やはり、通関士試験の独学は、情報の集めにくさが大きなハードルとなりやすいと思います。理解できなかった箇所を調べようと思っても、よい解説を見つけ出しにくく感じたり、法改正によって、どの事例が法的な判断の変更を受けるのか、といったことが調べにくいと感じる可能性が出てきます。
その他には、比較的長い期間の学習を必要とするために、独学ではモチベーションが維持しにくいと感じる方も出てくることが懸念としてあります。こうした注意点を検討した上で、最適な学習プランを立てていただければと思います。
通関士試験の勉強時間・期間の目安は
通関士試験の勉強時間の目安は400時間程度とされています。
期間は、半年から1年が目安です。
事前に試験科目に関する知識があるかどうかが大きく影響します。
特に、実務経験がある方であれば、かなりのアドバンテージがあるため、かなりの時間を短縮できると思います。
通関士試験に合格するためのポイント
通関士試験に合格するためのポイントは、以下の4点があります。
・どの科目でも60%以上得点できるように学習する
・通関実務対策が非常に重要
・法改正に関する情報を入手しておく
・過去問を活用する
どの科目でも60%以上得点できるように学習する
通関士試験には、科目ごとに合格基準点があり、それを下回ると不合格となってしまいます。そのため、各科目60%以上を獲得できるような学習を進めるべきです。苦手な科目をつくらず、完璧を目指さないように学習時間を配分しましょう。
通関実務対策が非常に重要
通関士試験の科目の中で、通関実務が圧倒的に難しいとされています。法律系の科目はほどほどにして、通関実務対策にほとんどの時間を費やすことになるため、その点は事前に抑えておいた方がよいでしょう。
法改正に関する情報を入手しておく
法律の変更によって、出題内容が変更される可能性があるため、法改正のポイントは把握しておきましょう。スクールに通っている方や通信講座を利用する場合は、知らせてもらえる機会がありますが、独学の場合は、SNSやWebサイトなどから自分で情報収集しましょう。
過去問を活用する
過去問演習は、資格試験では必須となることが多いですが、通関士試験も同様です。通関士試験は形式が独特です。形式に慣れておくには、過去問演習を3年分以上行うことが望ましいです。
通関士の独学のまとめ
通関士試験は独学が可能なのか、学習時間の目安はどのくらいかなどについて紹介してきました。通関士試験は、適切に勉強すれば合格できる試験です。理解がしにくい部分もありますが、基礎を徹底して固めることで合格に近づけます。
通関士試験を受験する方は、自分に合った学習法を見つけるとともに、必要な情報を手に入れられる仕組みを作ることで、合格を掴み取っていただきたいと思います。