計算実務能力検定とは
計算実務能力検定は、経理の仕事をする上で必要な計算能力を測る試験で、帳票計算と商業計算の2科目を50分で解答します。簿記に関する計算問題や利益の計算などの問題が出題されますが、基礎的な能力が問われるため、簿記検定の前に腕試しとして受ける方も多いです。経理担当者はもちろん、人事担当者も身につけておいて損はない内容です。
また、似た名前の試験として、「給与計算実務能力検定」という試験がありますが、全くの別物で、受験料や試験内容も異なるので注意が必要です。
1級概要
●開催頻度
年2回(10月の第1土曜日と1月の第4土曜日)
●受験方式
個人受験と団体受験があります。
●受験料
2,000円
●試験時間
9:00〜(50分間)
●試験科目
・帳票計算(精算表、棚卸表、固定資産台帳、入出金伝票)
・商業計算(比率、製造原価、利益処分、有価証券、株式、福利、年金、年割賦、積立金、減価償却)
※詳しくは実施要項P.4を参照
http://www.zenkei.or.jp/wp-content/uploads/pdf/calculate/0302calculate_youkou.pdf
●合格基準
1科目100点満点で全科目70点以上
勉強法
試験の時間配分の目安としては、帳票計算30分、商業計算20分が良いと思います。以下では、それぞれの試験の特徴と対策について述べていきます。
・帳票計算
この科目では、ほとんどの時間が電卓を打つことに割かれるので、なるべく速く電卓を打てるように練習することが重要になります。目安は、1分間で80〜100個の数字を打てるくらいの速さが最低限になります。電卓を速く、正確に打つことを意識しながら、過去問集や模擬試験集で練習していきましょう。
・商業計算
この科目の高得点の鍵は、「公式を暗記すること」です。公式を忘れてしまっても、中学数学の範囲で解けはしますが、帳票計算も含め50分というシビアな試験時間なので、公式を覚えて素早く解けるようにしたほうが良いと思います。
したがって、購入する問題集は必要な公式がまとまっているものを選ぶと良いでしょう。また、帳票計算に比べて一問あたりの配点が大きいので、取りこぼしがないようにしましょう。
ここまでそれぞれの科目を勉強する上で大事なことを述べましたが、2科目の共通事項として、次の章で紹介する過去問集や模擬試験集でひたすら演習することが合格への近道になります。
簿記試験の計算分野に焦点を当てたような試験ということもあり、それほど難易度が高いわけではないので、一冊の問題集を完璧にすれば合格は難しくないと思います。したがって、問題集は一周して終わるのではなく、1周目で×だった問題を2周目以降で解けるようにする方法をお勧めします。
ただ、一つの金額計算を間違えると、それを使って計算する項目(合計金額など)が全て間違ってしまいます。芋づる式に点を落とす可能性があるので、計算ミスや電卓のキータッチミスには十分注意しましょう。特に1級は2,3級に比べて桁数が多いので、キータッチの速さと正確さの両方をしっかりと意識して演習をするようにしましょう。
おすすめ参考書
●公式テキスト1・2級(申し込み用紙pdf)
http://www.zenkei.or.jp/wp-content/uploads/b045561e58285c9dcd8265c4ed6792e6.pdf
問題集というより参考書に近いと思われます。
●計算実務1級 直前模試(申し込みページ)
http://eikosha-b2c.shop-pro.jp/?pid=100612020
模擬問題が16回分収録されています。本試験と同じ形式のプリントなので、本番を見据えて演習に取り組むことができます。また、特に商業計算の分野で必要な公式がまとまっているページがある(らしい)ので、公式が不安な方におすすめです。
●令和3年度版 計算実務能力検定試験 過去問題集 1級(申し込みページ)
http://shop.zenkei.or.jp/products/detail.php?product_id=147
試験を主催している団体が出版しています。過去問題が全16回分収録されているため、最後の腕試しにもってこいです。
また、公式ホームページでは、検定試験が終わった翌週月曜日から2週間だけ解答速報と問題用紙が掲載されます。それを最初に解いて実力を測った上で、その後の勉強計画を立てるのも良いかもしれません。また、今は問題をたくさん解ける問題集がほとんどないため、最初から過去問題集や模擬試験集で演習することが中心になってくると思われます。