計算実務能力検定とは

計算実務能力検定は、経理の仕事をする上で必要な計算能力を測る試験で、帳票計算と商業計算の2科目を50分で解答します。簿記に関する計算問題や利益の計算などの問題が出題されますが、基礎的な能力が問われるため、簿記検定の前に腕試しとして受ける方も多いです。経理担当者はもちろん、人事担当者も身につけておいて損はない内容です。

また、似た名前の試験として、「給与計算実務能力検定」という試験がありますが、全くの別物で、受験料や試験内容も異なるので注意が必要です。

ふくしままさゆき (著)
花嶋生花; 10版 (2014/1/10)、出典:出版社HP

 



どのような職種に役立つか

経理の基本となる帳票計算と商業計算が出題範囲であるので、電卓計算を多く行う会計や経理関係の仕事に役に立ちます。また、この資格試験は知識というより技能が重視されているため、演習を通して身に付けた電卓計算の技能は業務に直結します。ただ、この資格は基礎的な内容が問われているものであるので、就職活動や昇進・昇給で有利になるためには、最低でも2級以上が必要でしょう。そして、基礎的な資格であるがゆえに、経理や財務を目指す人だけではなく、企業の財務状況を詳しく知り、分析する必要のある営業マンやトレーダーにも有効な資格と言えるでしょう。


具体的な業務内容

会計や経理の業務内容は「お金の管理」です。細かく挙げると以下のような業務があります。

・現金出納管理

・経費精算

・従業員の給与や社会保険料の計算

・月次決算書作成

会社全体のお金は絶えず動いているため、会計や経理の業務も尽きることはありません。毎日の現金出納だけでなく、伝票の整理等も業務の一つになります。また、月ごとには従業員の給与や保険料、ボーナスの計算もあるため、日々、様々な計算に追われることになります。計算実務能力検定の勉強を通して電卓計算の技能を培うことで、素早く正確な業務につながっていきます。

 

関連する資格

ここまで、計算実務能力検定の資格を活かすことができる職種について述べてきました。ですが、先ほども述べたようにこの資格はとても基礎的な内容が問われます。したがって、もう一段階レベルの高い資格をプラスαで取っておくと、仕事や就活をする上で更に有利にはたらきます。そのような資格の例として、以下のようなものが挙げられます。

資格の大原 税理士講座 (著)
出版社 ‏ : ‎ 大原出版、出典:出版社HP

・簿記検定

・ビジネス会計検定試験

・社会保険労務士

・財務報告実務検定

・給与計算実務能力検定



これらの資格は、計算実務能力検定の合格者が受験することの多い資格です。特に簿記検定は、会計や経理関係の職に就く上で必須となるところもあるほどなので、計算実務能力検定の合格した際には、簿記検定(できれば2級)の受験をお勧めします。


まとめ

今回は、計算実務能力検定の資格を活かすことができる職種について述べてきました。

 

計算実務能力検定の重要性は、単に会計や経理の分野に留まりません。この資格は、ビジネスの世界で広く尊重されており、多岐にわたるキャリアパスに貢献することができます。たとえば、プロジェクトマネージャーや事業開発担当者など、予算作成やコスト管理に深く関わる職種では、計算実務能力検定が非常に役立ちます。プロジェクトの予算を効果的に管理し、コストを適切に把握することは、プロジェクトの成功に直結しており、この資格はその基礎知識を提供します。

さらに、計算実務能力検定は、フリーランスや自営業者、小規模事業主にとっても有益です。自分のビジネスを運営する際には、収益と支出のバランスを適切に保つことが重要です。この資格によって、日々の取引の記録、税金の計算、さらにはビジネスの財務健全性の評価など、基本的な会計の知識とスキルを身につけることができます。

また、計算実務能力検定は、キャリアアップを目指す全てのプロフェッショナルに推奨されます。昇進を目指す際や、より高い責任を持つポジションに就くためには、財務に関する深い理解が求められることが多いです。この資格は、財務報告の読解力や、予算計画、さらには組織の財務目標達成に向けた戦略策定など、上級職への道を助ける重要なスキルを提供します。

計算実務能力検定を持つことで、あなたの専門性はもちろん、組織全体への貢献度やリーダーシップ能力も高まります。経営陣やステークホルダーとのコミュニケーションにおいても、財務に関する信頼性の高い情報を提供できるため、あなたの意見がより重視されるようになるでしょう。

 

計算実務能力検定は、絶えず変化するビジネス環境に適応するための柔軟性も養います。経済の変動や市場の動向を理解し、それに応じて迅速に行動する能力は、現代のビジネスリーダーに不可欠な資質です。この資格を取得することで、変化に対応し、組織の成長と繁栄をサポートするための基盤を築くことができます。

総じて、計算実務能力検定は、あらゆる業界や職種での成功に向けた強固な基盤を築くための、価値あるステップと言えるでしょう。これからのキャリアにおいて、この資格がどのように役立つかを見極め、自身の成長とともに最大限に活用してください。

 

ふくしままさゆき (著)
花嶋生花; 10版 (2014/1/10)、出典:出版社HP