法務・法律資格・検定通関士

通関士とは、貨物の輸出入が行われる際に必要な税関への手続きである通関業務を行うための職種・資格です。

通関士になるには、通関士試験に合格した後、通関業者に勤務し、勤務先の通関業者が申請し、財務大臣に確認を受けることが必要です。試験合格後に、通関業者で、通関業務に従事することが資格の要件となっている点が特徴的です。

通関士は、通関業務の貿易事務がメインとなる資格ですが、そこからキャリアアップを目指したい方、新しい領域に踏み出したい方などであれば、ダブルライセンスを視野に入れることもあるでしょう。

そこで今回は、通関士のダブルライセンスにおすすめの資格を3つ紹介したいと思います。

 

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出典:出版社HP

貿易実務検定

貿易実務検定は、貿易実務のエキスパートとしての能力や知識を測るための検定試験です。受験資格はなく、誰でも受験することができます。
試験のレベルは、難しい順にA級・B級・C級の3段階があり、自分のスキルや経験に適した級の受験が可能です。

通関士試験と比較すると、通関士試験は貿易に関連した法律と通関実務における書類の形式などを中心に、専門的な内容を学習しますが、貿易実務検定試験では、マーケティングや契約といった商業的な手続きに関連する貿易実務を幅広く学びます。

通関士として働く際には、貿易実務検定で学んだ内容が活かされる場面は多くありません。しかし、両方を取得することによって、通関業務から顧客対応の業務など幅広い業務で働ける可能性が出てくると思います。通関士と貿易実務検定の組み合わせは、ゼネラリスト指向の方におすすめです。

国際航空貨物取扱士

国際航空貨物取扱士は、IATA(国際航空運送協会)が認定する資格で、IATAディプロマと呼ばれています。航空貨物輸送に関する知識を測る資格で、民間資格の一つです。

受験資格はIATAへの各種登録、受講登録をすることが必要となっています。
コースが3つ設けられており、基礎コースと危険物コース、危険物資格更新コースがあります。基礎コースでは、基本的な貨物のルールや貨物輸送の運営などを学ぶことになります。危険物コースは、危険物を処理する資格を24ヶ月与えるコースで、危険物資格更新コースは、その危険物コースの資格を延長するためのコースとなっています。

IATAディプロマは、航空貨物輸送に関する資格であり、航空貨物の業務に従事したい方におすすめの資格と言えるでしょう。通関士とのダブルライセンスでは、航空貨物に重点を置いた通関士として働く場合や航空系の輸送業者で働く場合に活用しやすいと言えます。

海事代理士

海事代理士とは、海のことに関連した行政機関への手続きや書類の作成を代理して行う仕事・資格です。行政書士や司法書士に似た位置付けです。

海事代理士になるためには、海事代理士試験に合格し、海事代理士として登録することが必要です。
受験資格は学歴や年齢などの制限はなく、基本的には誰でも受験できます。

海事代理士試験は、一般的な法律と海事法令が試験範囲に含まれており、通関士試験で学んだ内容を一部で活かせる試験です。

海事代理士は独立開業することが多い資格で、通関業者に勤務することが前提となっている通関士と性質が異なります。しかし、法律関係の資格であることが共通しており、通関士から領域を広げて、独立開業を目指している場合であれば、おすすめできる資格です。

通関士のダブルライセンスにおすすめの資格のまとめ

通関士とのダブルライセンスにおすすめの資格を紹介してきました。通関士は専門性が高いため、特定の領域の分野に強くなることが多く、幅広い分野の知識を身につける機会はあまりありません。

そのため、ここで紹介した資格は通関士としてのスキルを高めるものではなく、通関業務と比較的関連性があり、知っている分野を広げるための資格でした。

資格取得から今後のキャリアアップを考えている方は、紹介したもの以外にも、自分の目標を実現するための資格の取得に挑戦していただきたいと思います。

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出典:出版社HP