宅建とは、宅地建物取引士のことを一般的に意味します。この資格は、不動産取引の専門家として位置付けられています。ただし、宅地建物取引士試験(以下 宅建試験)との区別を明確にするため、宅建士と呼ばれることもあります。
宅建試験は、難しいイメージを持たれることがあります。その大きな理由の一つに、合格率がおよそ15〜20%程度とされることがあります。その一方で、簡単だとする意見もあり、宅建試験に興味がある方で、どちらが正しいのかがわからないと悩んでしまう場合があるかもしれません。
そこで、宅建試験は本当に難しいのか?難しいとされる背景には何があるのかを考えていきたいと思います。
宅建試験は少し難しい
結論から言えば、宅建試験は少し難しい試験です。
少し難しいくらいの難易度になっている要因としては、
①出題範囲が結構広い
②不動産取引に関連した法律の概要を暗記することがメイン
③出題範囲と問題の形式がしっかりと決まっている
④解答が四肢択一のマークシート方式
⑤過去に出題された問題が再度出題されることが多い
があります。
宅建試験の勉強を始めると、覚える量の多さに戸惑いやすいです。さらに、法律に馴染みがなければ、法律の考え方を理解することに手間取りやすいと思います。①②のような出題範囲と内容といった要因から、宅建試験が難しく感じられる方が多くなっているのだと思います。
しかし、③④⑤のように試験の問題形式や解答方式が決まっていて、問題が分からなくても25%の確率で正解できることから、適切に学習すれば合格できる試験になっています。
簡単という意見がある理由
宅建試験は難しいという意見がある一方で、簡単だとする意見もある理由は何でしょうか?
主な要因としては、前述した③④⑤の要因が大きいと思います。
それに加えて、宅建試験は過去問が極めて重要な試験であることも影響しているでしょう。過去問を解けるようになれば、合格できる点数を獲得できます。過去問を解くことが合格への道と言っても過言ではありません。
また、宅建試験は相対評価で合格基準が設定されることから、受験者が全くわからない問題が出題されることはほとんど無く、基礎を固められれば合格できます。こうした背景から簡単だという意見が出てきます。
ただし、勉強しなくても合格できる方は実務を行なっている方以外にはほとんどいないでしょう。何をもって簡単としているのかが人によって左右されている印象を受けます。
向き・不向きが分かれやすい
宅建試験は、向き・不向きが分かれやすい側面もあります。なぜ、向き、不向きが分かれるかというと、法律に関する問題が多く出題されることが背景にあります。不動産取引での出来事が、民法や宅建業法などの法律に基づいて、どのように判断されるかを理解して、覚えることが必要となります。ある程度の量の暗記も必要となるため、法律的な論理に馴染めないとかなり苦労してしまうことになりやすいです。
宅建試験はTOEICと似ている
宅建試験の特徴は、英語の試験のTOEICと近いと考えてもいいと思います。TOEICはマークシート式の三、四肢択一であり、通常、問題の大まかな傾向はあまり変わりません。問題演習を重ねるほど高い得点を取りやすいとされる試験でもあり、過去問演習が重要な宅建と性質が似通った点があると感じます。
まとめ
ここまで、宅建試験はどのくらいの難易度があるかを紹介してきました。
簡単に合格できるケースはあまりありませんが、適切に勉強すれば合格できるレベルの試験です。過去問の演習を重点的に行うことがポイントですが、そのときには、間違った問題の解説をしっかり読んで理解することが必要です。
慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、合格を目指して勉強している方は、あまり不安にならずに一つずつ学んでいくことが良いと思います。
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